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『嫌な酔っ払い』酔っ払いタイプ別の心理と対処法。はしゃぐ・怒る・口説く…。飲食店経営者が解説

「酔っ払いが嫌い…」飲食店経営者から見る、酔っ払いの嫌われる理由と心理。そしてその対処法。 料理人の茶話

酔っ払いって面倒くさいですよね。
私は酔っ払いのお相手もしますし、酔っ払い自身にもなる二刀流です。

酔っ払いが嫌われてしまうのはごく普通のことです。
なぜなら、酔っ払いは秩序が乱れているから。

人間は普段、感情や本能をむき出しにしないよう理性が働いているのですが、そのストッパー的役割の理性がお酒によって働きが鈍くなり、さらには本能の働きが活発になるからです。そうなると秩序の薄い状態になります。

単純に、秩序のある(酔っていない)人は、秩序がない(酔っている)人とは付き合いづらいものですから、酔っ払いが嫌われるのはごく当然なことなのです。

よく『お酒は人をダメにする』なんて言いますけど、ちょっと違うんですよね。
『人間誰もが心の奥にしまっている、我慢、遠慮、こだわり、主張、欲するものが表に出てくる』ということになります。

今回は、そんな酔っ払いのタイプ別に、日頃その人が抱える心理、そして酔っ払いから身を守る対処法をお話していきたいと思います。

なぜ酔っ払うと日常の言動と変わるのか

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まず、『酔っ払う』というシステムを簡単に解説しますが、さっさと酔っ払いタイプ別の心理を知りたい方はどうぞ飛ばしてください。

アルコールは通常の飲食物とは違い、少量は胃で、そして小腸上部から吸収されます。他の飲食物より吸収が早いのです。

吸収されたアルコールは血中に入り肝臓で分解が始まるのですが、すぐに全部はできないため、多くのアルコールはそのまま血液とともに、脳や全身の臓器に送られます。

脳においてはこんなことが起こります。

①理性をつかさどる場所(大脳新皮質)がまず最初にマヒします
理性の働きが鈍りはじめ、体感的には軽い酔い心地です。

理性のストッパーが外れると
②本能や感情をつかさどる場所(大脳辺縁系)の働きが活発になります
日頃、抑えられていた喜怒哀楽の感情が出やすくなったり、理性的な行動ができなくなってきます。
声や身ぶりが大きくなったり、スキンシップ、秘密にしてた話、大胆なグチが出てきます。

そして、ここからはちょっと深くなりますが
③知覚や運動機能を調整する場所(小脳)まで進むと、動きに影響が出てきます
ろれつが回らなかったりフラついたり、スマホの操作が円滑にできなくなったりします。カラオケだと歌詞の認識ができなかったりテンポが大きくズレたりしますね。

さらに、
④記憶の中枢である場所(海馬)まで進むと、今起きている出来事を記憶できなくなります
何度も同じ話しをしたり、翌日の「覚えてない…」というやつです。ブラックアウトとも言われます。

ざっくりこんな感じです。③と④は深酒の状態で、人に迷惑かける確率も格段に高まりますね。

今回は、①と②の時期における言動についての話が中心となります。

酔っ払いのタイプ別にその人の奥を見てみる


なぜ酔っ払うと日常と違う言動になってしまうのかざっくりわかってきたところで、それを踏まえて個人的見解とともに、その人が日頃心の奥底にとどめているものをタイプ別に分析していきます。

ハイテンション、陽気になる、はしゃぐ、楽しくなる人

酔っ払いにはこのタイプが一番多いですね。
身ぶりや声が大きくなり、よく喋るようになります。ちょっとしたことでも面白くて笑ったり、アクションも積極的になります。

とにかく楽しみたい、羽目を外したい、たくさん喋りたい。
人が楽しみや幸せを求めるのは当然のことですが、日頃からそればっかはできません。特に日本人は、おとなしくて不安傾向が強い人種でもあります。

個人的には、酔い方としては一番いいかなと思いますが、自分が楽しくなりたいがゆえに、テンションの違う人を巻き込むなどのウザ絡み・ダル絡み、悪ふざけや周囲の迷惑を顧みないという厄介さも付きものだったりします。

濃厚なスキンシップ、口説いたり下ネタが始まる人

次に多いのはおそらくこのタイプです。

性欲や触れ合いたい気持は誰しもが持つ本能ですが、食欲など他の生理的欲求に比べると、日頃から表立って欲することができない欲求でもあることから、理性が欠けた時の開放度も高めなんじゃないかと考えます。

男性のほうが多い印象を受けますが、女性でも決して珍しい話ではないです。

個人的な見解としては、今パートナーがいないからとか、その時たまたま人恋しい気分だったとか、その時の環境的な要因はあんまり関係ないように思いますね。やる人は酔っ払うたびにやります。
「そういう人」ということでしょう。

人間らしいと言えば人間らしいのですが、やっぱりみっともなく映ってしまうのも事実です。
当人のパートナーや家族だったら一番見たくない姿かもしれませんね。



説教、怒る、喧嘩する人

人間関係や社会への不満、日々の小さなイラ立ちまで、日頃からコツコツ溜めてしまっている人です。

考え方を変える、逃げる、趣味などで発散するなど、日常的にストレスを消化していくことが上手くできないんだと思います。

そんなストレスの風船(風船自体のサイズは人による)が、日頃から大きな圧力がかかっている状態で、なおかつ飲酒によって割れやすくなっているため、怒鳴ったり説教することで圧を抜いたり、また、人とすれ違っただけの摩擦で割れてしまう…というイメージです。

よく怒る人は、酔っていない時は意外にも、周囲に気を配ったり、場を盛り上げようとするなど気遣い屋さんが多いです。

また、お酒が入っているいないに関わらず、日頃からすぐ怒る人には、自分は優秀、頭が良い、と思っている人、また、正義心が強いという人が多いと感じます。
とても主観的で、いろんな側面から観測したり、自分に置き換えて考えることが不得意です。

自分の意見や感覚と一致しないものは間違っている。
だから、間違っていることを教えてやる、正す。
という、ちょっと偏った正義ですね。

正義と言うと聞こえが良いですが、正義には悪意がないのが厄介で、かなり難がある性質です。

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泣く人

前述の怒る人と心の中身はちょっと似ていて、それが泣くという形で現れます。

涙にはストレス物質が含まれていて、泣くという作業は『ストレス物質を排出する=ストレス解消』という効果があるため、実は人の心身にとって良いことでもあるんです。

特に大人になると、子供のように 『心身に負荷がかかったらすぐ泣く』ということができないので、酔っ払って理性がなくなったときに人目もはばからず泣いてしまう…。

これについては、泣かせておける環境なら、もうそのまま泣かせときましょう。
涙はずっとは続きませんし、涙を流すと少し気が軽くなるものですから。

日頃から、映画など見てあえて泣いてみるだけでもストレスの溜まり具合は違います。

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自慢、高慢、威圧的な人、目立ちたがり屋

自分が人として上級レベルだと示すことで優越感を得る…というのも確かにそうなんですが、

このタイプの人たちって日頃から、自分よりも魅力的な人や目立つ人に対し、劣等感、また、そういう人が現れることを常に恐れて生きているんですよね。

『人から魅了される人間でなければ』『羨まれる存在にならなくては』という、脅迫概念とも言えるプレッシャーを抱えているんです。

このタイプは、一見、成功してそうに見えるお金持ちや権力者でも関係ありません。
日頃から自分に対する自信が足りていない、もしくは 『自分は自分、人は人』という考え方に乏しく、自分の中で勝手なカーストを作っている人ですね。

そして、個人的データとしてはこのタイプの人は100%、話を盛ります。

余談ですが、近年お騒がせなバイトテロや飲食店テロなど迷惑行為をする人たちも心の奥底には似ています。よろしかったこちらの記事も参考になさってください。
飲食店テロ・迷惑行為なぜやる?目立ちたい人の本当の心理とは?バイトテロ・電車内の喫煙など

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酔っ払いへの第一の対処法は、とにかく『自分を守る』こと

はっきり言って、
すでに酔っ払ってしまった人にピシャリッ!とやる対処法となるとちょっと難しいです。

理性がマヒした(秩序のない)人はある意味 『無敵状態』 でもあります。
無敵の人にピシャリと攻撃しようとすれば、理不尽であろうと跳ね返ってきて、もっと労力を消費させられる可能性が高いのです。

なので、とにかく自分を守るため の方法を考えます。
『受け流す』
『相手にしない』
『去る・逃げる』
『(お店だったら)店員に対応を求める』
『警察を呼ぶ』

が、その時できる対処法になります。

結局それだけかよ…ってなりますよね。
しかし、多くの酔っ払いたちを対応してきた私の結論としても、無敵状態の人をどうにかしようとするより、いかに自分を守るか、を考えることが得策と考えます。

仮に翌日、素面に戻った相手に「昨日は不愉快だった。ああいう飲み方はやめて欲しい」と訴えたところで、多少は反省もするでしょうが、大半の人はまたお酒を飲んだら理性がマヒして同じことを繰り返します。

ただ、ひとつ、
人に嫌われるような酔っ払いを擁護するわけではないのですが、家族や近しい人なら無敵状態でない日頃から、相談にのったりストレス解消法の取り組んだりなどのケアができるかもしれません。それもひとつの対処法と言えます。

お酒を飲んだときに出る姿がその人の本性…
間違ってはいないのですが、
秩序を守るために理性で抑えている日頃の姿もまた、その人の本当の姿であることに間違いないのです。


私もこれを書きつつ自分に言い聞かせ、ストレスを溜めこまない日常を送れるよう、また、理性を吹っ飛ばしすぎないよう、美味しく楽しくお酒を飲みたいな、と思います…。

最後に、私のお酒の席の必需品を紹介おきますね。
ヘパリーゼって小瓶のドリンクタイプの方がポピュラーなんですけど、特に女子は人前でグイッとオヤジみたいにやるのは抵抗ある人もいますよね。(私の周りのオンナたちは全く気にしない人ばっかですけど)
いろいろ試した中で、バッグの中に携帯できるこの錠剤タイプがレギュラー選手になっています。
私はこれを飲むようになってから、酔いの回りが穏やかになり失態が激減しましたよ。笑
二日酔いもだいぶ軽減されるので、翌日が仕事の時はこれがないと逆に不安で…。




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ワシヲ タカコ

筆者 ワシヲ タカコ
食生活アドバイザー 薬膳食育師 メンタルケア心理士
飲食店経営はじめ多種多様な食のお仕事をしています。
そのため更新は不定期、コメント欄もありませんがご質問等はお問い合わせよりお気軽にどうぞ。
ここでは顧客心理をベースに実践してきた接客・集客・経営ノウハウを現場目線で紹介しています。

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