過去に、幾度となく聞かれたことがあります。
「あのお店、いつも客がいないんだけど潰れそうじゃない?」みたいなこと。
正直言うと、『客がいない』という漠然とした言葉くらいでは、潰れそうかどうかは全くわかりません。
毎日オープンからラストまでそのお店を見ていて、本当に客がいないということであれば、経営難である可能性も高いと思います。
しかし、あえて少人数制にしているお店もありますし、持ち家などで店舗の賃貸料がないとか、副業、不労所得、年金などがあるため収益が多くなくても問題ない、という経営者も実際にいますから一概には言えないんですよね。
ただ実際に私の周りでも、経営が立ち行かなくなって廃業となったお店はいくつかありました。
「ここ潰れるかも…」と事前に感じていたお店もあれば、その時は気付かなかったけどあとあと振り返ってみれば『潰れる前兆』とも言えるフラグが立っていた、というお店もあります。
今回は、まったくもって大きなお世話ですが、そんな経験を踏まえて飲食店が潰れるときのよくある前兆について綴っていきたいと思います。
前兆その①メニューに張り合いがなくなってくる

メニューに張り合いがなくなってくる。メニュー数が減ってくる。
どんな感じかと言いますと、
おすすめや日替わりメニューに変化がない、少ない。もしくは手間のない料理や特別感のないもの、安価なものばかりで、なんというか、エネルギーを感じないとでも言いましょうか。
また、レギュラーメニューから頼んでも「すいません売り切れちゃって…」と断られることが多くなってくれば食材を抱えていないのは明白ですから、何かしらの理由で仕入れを制御していると考えられるでしょう。
お客様が少ないと食材も動かなくなりますからね。
そういった面からそのお店にとっての晩年は、メニュー数の減少、冷凍保存や長期保存が可能な食材を使ったメニューがメインになってくると思います。
前兆その②高い商品からなくなってくる
高価な商品や希少な食材を使ったメニューからなくなってくる。
これは飲食店が潰れる前兆として、非常に顕著に表れてくるポイントだと思います。
例えば、高級銘柄のお酒、希少部位のお肉、値が張る刺身などの生ものなど、以前はあったのに今はすっかり仕入れていないようだ…という状況です。
仕入れにもそれなりの費用がかかりますし、保存がきかないものは廃棄のリスクが高くなりますからね。
また、お肉の質が変わった、量が減ったなど商品のクオリティーが明らかに下がったと言う人が増えてくれば増えてくるほど危険度も上がってくると思います。
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前兆その③スタッフが減ってきている
スタッフが減ってきている、もしくはスタッフのいる時間が短い。
以前はホールスタッフが2~3人いたのにここ1年ほどずっと1人しかいないとか、
今は店主1人でやっているようだ、など、明らかに以前とはスタッフの雇用の様子が変わってきているなという状況ですね。
人件費は経費の中でもかなり大きな部分を占めますから、経営状況が芳しくないとき、ここの負担の軽減に努める経営者は多いと思います。
前兆その④会計が高かったという話がチラホラでてくる
会計が高かった…
一番遭遇したくない前兆ですね。
客単価の少ない食事処やレシートに明細が載るお店ではなかなか起こらないと思いますが、
居酒屋やスナックなど酒の提供がメインのお店では、実はこれ意外とあることかもしれません。
残念ながら私の周りでもわりと聞きました。
廃業される寸前のお店で「こないだ行ったら2人で○万円もとられたわ」「実は俺も先月行ったとき少ししか飲んでないのに~」というような、いわゆるぼったくり話。
確かに酔っ払いの記憶もあてにならない事もありますが、チラホラと多方面から耳にするようになれば、「経営、ヤバイのかな…」と思います。
どんなに経営が苦しくても決してやってはいけない行為ですから、おかしいと思ったらその場で伝票を見せてもらいましょう。

前兆その⑤お客様が同じような顔ぶれ
いつも客がいない…だけでは潰れそうかどうかはわからないと冒頭に言いましたが、ただし、それに加えていつも同じような顔ぶれ、いつも同じ団体となると潰れる危険度が急上昇すると考えます。
日々の売り上げもままならないのに、新規客を呼ぶ魅力がない、新規客を呼ぶ意気込みもない、なにもしなくても来てくれるわずかな馴染み客を前に「うちは客が全く来ない店ではない」「時期的なもの」「良い時もあれば悪い時もある」のようにどこか逃避的な思考になっている経営者はわりといます。
こちらの記事でも詳しく解説していますのでご興味がありましたらご覧になってください。
常連客しかいない店は潰れる?お店をダメにする「うざい常連客」の危険性とは?
【おまけ】経営者同士だからこそ感じる前兆
お客様側から見える前兆としては前述までの4つのポイントとなりますが、経営者同士だから感じ得ることもあって、ちょっとおまけで解説します。
経営者を見かけなくなる
飲食店経営者って営業後や定休日に外食や飲みに行く人もわりと多いのですが、やっぱり経済状況が厳しい人はだんだんと見かけなくなってくるケースがよくあります。
私が見てきた経営者の場合、高確率で元気や覇気がなくなりメンタルが不安定になっている人もいました。
さらには、市場や酒屋、地域の販売店、取引先など、仕入れ業者や顧客が共通しているパターンがあるので、いろんなところで「あの人最近見てないな」「どうもうまくいっていないらしい」のような情報がなにかしら出てくるもんなんですよね。
そして、もうひとつ。
潰れる前兆というよりは “いずれお店を潰すことになるだろう” という経営者の決定的な特徴を1つ紹介します。
その日の売上金を持って遊びに行く経営者
たまにいるんですよ。日頃から、その日の売上金を握りしめて仕事終わりに飲みに行ったりパチンコに行ってしまうタイプの経営者。
こういう経営者のお店は遅かれ早かれ崩壊していくと思っています。
私も過去に何人かこのタイプに出会いましたが、知る限りでは100%の廃業率を確認しております。
あくまで個人的データでありますが、このタイプの経営者がいずれ経済的経営難によってお店を潰すという信憑性はかなり高いと考えています。
まあしかし不思議なことではないですよね。お金の管理がずさんである表れですから。

今回は潰れるお店の前兆についてのお話でした。
なんのお役に立てるかはわかりませんが、少しでも参考にしていただけたら幸いに存じます。
ちなみに、経営者側が警戒すべき『潰れるお店の危機的シグナル』について解説した記事もあります。
よろしかったらこちらも参考になさってください。
潰れる飲食店の前兆、放置すれば閉店に!お店を潰すある現象と経営者の特徴(強い紐帯・弱い紐帯)
他にもこんな記事を書いています。
なぜそのお店は潰れたか【Part1】経営難の7つの個人飲食店、失敗から学ぶ原因 前兆
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