経営に潜む危険「認知的不協和」を例を踏まえてわかりやすく解説。解消法も紹介します。

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人間って、とにもかくにも矛盾だらけの生き物なんです。
でも矛盾している状態はとても不快なので、自分の認知を変えて「矛盾ではない状況」を作り、心の安定を図るのです。

わかりやすい例をあげると、

大好きだった人に告白してフラれたとき、「本当はそこまで好きではなかった」とか「彼女と付き合ってもどうせ幸せにはなれなかっただろう」などと、成就しなかったという結果に正当性を見出す…

また、タバコが体に良くないのはなんとなくでも分かっているんだけど、「我慢するほうがストレスになる」とか「喫煙者でも長生きした人はいっぱいいる」などと言い、吸い続ける…

これらの心の働きを認知的不協和と言います。

辛辣な言葉で簡単に言うと、言い訳、カッコつけ、強がり、負け惜しみ、つじつま合わせ、自分に都合よい、自分に言い聞かせる、といったところでしょうか。
ただ、これが悪いことかと言うと、そう限ったことではありません。
実は大なり小なり誰しも持っている性質で、心を健康に保つために備わっている性質であるとも言えます。

しかしこの認知的不協和、きちんと理解がないと、現実的に危険な状況、最悪の事態になりうる、という危うい側面も持ち合わせているのも事実です。過労死やDV被害、詐欺被害がまさにそうです。

飲食店経営においても影響を与えかねない危険な要素でもあるので、今回は飲食店経営の視点から認知的不協和について、またその解消法も解説しますが、飲食店関係者じゃなくてもお役に立てる内容になっておりますので、よろしかったら最後までぜひお読みください。

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認知的不協和をもうちょっと具体的に解説

認知的不協和をもうちょっと紐解いて解説します。

「そうしたかったけど、そうならなかった(できなかった)」
「悪いとわかっていても止められない」
のように、2つの矛盾に陥いることは人生の中で幾度とあると思います。
そうすると、思いと現実がちぐはぐな状況に不快感が発生します。一致、一環していないことにモヤモヤして気持ち悪さを抱えるんです。
この不快感をどうにかするために人は、自分の考えや言動を変え、一致させる(正当化する)ことによってこの不快感を軽減しようとするのです。

いわゆるブラック企業で心身共に疲弊しながらも働き続けている人がいますよね。
冷静に客観視できる周囲の人は「辞めればいいのに」「そこよりもっと良い仕事があるのに」と思うような状況であっても、
本人は「仲間はみんないい人ばかり」「自分のためになる」「これくらい乗り越えないと甘ったれだ」などと、ブラックな環境だということに一定の認識を持ちつつも、そこで働く意味や正当性を見出しているんです。

また、大してその気もなかった高価な製品を、営業トークに乗せられて買ってしまった…なんていうこともありますよね。懐がイタタ…と感じながらも「高価だけあって安物とは使用感が全然違う」「高品質で長く使えるから結局コスパが良い」と、自身の購買行動が有意義であったのだと思うことで、高いお金を払ったことの心的ダメージを緩和しようとするのです。

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飲食店経営においての認知的不協和の危険性

認知的不協和がどんなことがおわかり頂いたところで、それが、飲食店経営にどんな影響をもたらすか、解説していきます。

ちょっとここで、口のやらかしが多い、とある居酒屋の大将の話を。

この大将、自分の意に反することがあると黙っていられないようで、すぐ意見したり、物申したり、言葉の押し付け感の強いタイプの方なんです。
で、よく常連さんと言い合いになるんですけど、もうね、子供のケンカみたいに笑っちゃうくらい引かないんですよ(笑)感情に忠実な方ですね。

でも、そのあと必ずと言っていいほど「あの人が好きだから心を鬼にして本当の事を言っている」「他のお客さんを守るためなら自分は悪者になってもいい」のような事を言うんです。(いやいや、そもそも「パンに味噌汁は合うか合わないか」みたいなネタから派生したような、しょうもない小競り合いですけどね… いつも)
“大切にするべきお客様” なのに “感情的にやり合ってしまった” という矛盾にバツの悪さをしっかりと感じているということでしょう。「人のため」だと言い、自分の行為を正当化することで心を落ち着かせているんですね。


さて、こんなことを考えたことはないですか?

来客数が少ない日には「今日は街に人が出ていない」「最近急に寒くなったからみんな家から出ないのだろう」

採算の合わない価格設定をしても「お客様が喜んでくれればいい」

休みなしでずっと働き詰めでも「経営者なら当たり前」「この努力は必ず実を結ぶ」

お店の趣きと違う、業者ゴリ押しの高級食材を仕入れて「このクオリティならむしろ安いもんだ」

お客様を怒らせてしまったら「あの人は以前からわがままだった」「もともと縁がなかっただけ」

料理に対してクレームがきたら「たまたまひどく疲れている時に作ったから」

などなど。

もちろんそう思って正解なこともあると思います。
しかし、こんなふうに考えや言動をすり寄せても、心の安定は保たれるかもしれないけど、別の問題点が潜んでいる可能性や、物事の本質に、気付かないままやり過ごしてしまいかねないのです。

これが、認知的不協和の裏にある、認知の危険性なのです。

認知的不協和が起きたらどうすればよいか?解消法

ではどうすればよいか?
我流ではありますが解消法を紹介します。

それは、
「本当はどう?」と自分に問いかけ、正直な気持ちを見出してみることです。
カッコ悪かろうが、情けなかろうが、努力不足に感じようが、それを自分で認めてあげるんです。人間なんて本当はカッコ悪くて情けなくて努力をしたくない生き物なんですから。

採算の合わない価格設定をしても、お客様が喜んでくれればいい、と思ったら
「でも本当に、それで儲けられるのか?なにか相乗効果が狙えるのか?」

休みなしでずっと働き詰めでも、経営者なら当たり前、この努力は必ず実を結ぶ、と思ったら
「本当はちょっと休みたい、ゆっくり温泉につかりたい」

業者ゴリ押しの高級食材を仕入れて、このクオリティならむしろ安いもんだ、と思ったら
「でもやっぱり扱いづらい食材を買わされちゃったな、高クオリティでもお客さんが手を出しにくいんじゃあ…」

そして、やらかしの多い大将も
「ケンカは良くない、本当は笑顔で終わりたいんだよな」
と、本当はどうなのか?に向き合えたら、少しずつでも今後の対応を変えていけると思うのです。

認知的不協和が起こるのは、ある意味、自然で健全な心の働きですので、認知的不協和が起こっていることすら気付かない場合も多々あると思います。
でももし「これがあの認知的不協和なのかも」と感じたときには、一旦立ち止まって、本質は何なのかと向き合ってみることが大切なのではないかな、と考えます。




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