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うざいと言われる食通・美食家たちの本当の正体とは?嫌われる食通とは○○をわかっていない人

なぜうざいと言われる?食通グルメ美食、A5ランクビーフ 料理人の茶話

食通、美食家、グルメ、舌が肥えている人、味がわかる人…
自称他称問わず、あなたの周りにもいませんか?

それなりに美味しいものや高価なものを食べていそうだけど、ただ好きなものを楽しく食べたい人にはちょっとウザい存在。

しかしなぜ、美味しいものの話をされるだけでなんで嫌悪感が沸くんでしょう?

ウザいと言われるその正体を検証します。

まず、食通・美食家たちは食の経験値が高い人が多いのは確か。

まず広辞苑によると

【食通】→料理の味に通じている事。また、その人。フランス語ではグルメ
【グルメ】→食通、美食家のこと。


一般的な認識では

・高級食材や高級料理をよく食べている
・色んなお店や取り寄せ食品の情報をよく知ってる
・素材の旬やそれに適した食べ方をよく知っている

こんなふうに、あらゆる食の情報に精通した人を『食通』や『美食家』などと呼ぶのではないでしょうか。
食に対する経験値としてはなんとも頼もしいレベルです。

自ら食通と名乗るかどうかはさておき、私もこの仕事に携わっているとそういった食の経験が多い人たちによくお会いします。
彼らの経験談は本来、料理人の私にはとても勉強になるものなのです。

しかし、何がウザいのかって?

それはこの中に一定数いる “味にうるさい人

これがウザいと言われてしまう厄介者なのではないかと考えます。
それを次にお話していきます。

ウザいのは、食通や美食家の中にいる “味にうるさい人”

食通を気取っていなくても味にうるさい人はいます。
あんまり大きな声では言えませんが、料理を作る側からすればちょっと面倒な人です。

私は料理人ですのでたくさんの評価を頂きますが、味にうるさい人は、味の判別ができるというよりは、主観や自己主張が強い人が多いと感じています。
良い評価、悪い評価どちらでもです。

私の経験上の結論ではありますが
人による美味しさの判定基準は、大半がその人の人生が反映された、いわゆる“好み”によるもの。
あとは身体や環境など、その時の様々なコンディションによるもの。

・育った環境
・思い出
・体調(成長、病気、ストレス、妊娠など)
・気分(楽しい、イライラ、疲れた、など)
・環境(季節、天候、気温や湿度、など)
100人いれば100通りの美味しさの判断基準があると言ってよいと思います。

味にうるさい人は、これら巨大な判定要素を理解していない人が多く、自分の舌に確固たる自信を持つため、
自分の味覚=美味しいか否か判定、として発言してしまうためウザがられるのだと思います。

そして、面白いことにそういう方たちの特徴として、
「まずい」「合わない」などネガティブな評価が多い傾向があります。

そもそも優れた味覚ってどういうこと?


食品会社などには風味検査や官能検査を採用し、味の判別に優れた人材を発掘しているところがあります。

例えば森永乳業。
風味パネルマイスターという自社資格があり、
5つの基本味【甘味、酸味、塩味、苦味、うま味】において、人間が感じる限界濃度の風味を判別する検査を実施し、合格した鋭い味覚センサーの持ち主たちが品質管理や開発などで活躍しています。

このように、普通ではわからない濃度の風味をキャッチできる舌を持った人は少なからずいるのです。

では食通や美食家たちは、どうなのでしょう?
その森永乳業が行ったちょっと古い研究ですが、これに興味深いものがあるので、ざっくりとお話します。

一般の小学校高学年の子供たちとその母親たち100人ほどを対象に風味検査を行いました。

その結果、子供よりも母親の方が鋭い味覚を持っていたことがわかり、
これは長く生きている母親の味覚の記憶のデータ量の多さが反映されているのではと結論づけています。
そして、判別能力の高い人ほど好き嫌いが少なく、食に対する興味も強い傾向があるともされています。

食べる経験が多いほど基本味の判別に長けてくるというわけです。
となると、確かにこの点では食通や美食家たちも当てはまってくると言えます。

ただ問題は、基本味の判別と、好みは別ということです。

味の判別ができることと好みは分けて考えられるのが理想

人間は5つの基本味を舌にある受容器で判別すると言われています。
しかし5つの基本味以外にも、脂肪味、炭水化物味、コク味、カルシウム味なども現在の研究者たちに提案されているほど、味覚はいまだ未解明な部分も多い機関です。

これらの味が複合的にどのバランスが自分にピッタリくるか、これがその人にとっての “美味しい” の判定基準です。
この認識を持って発言できるかどうかが、食通のウザさの分かれ目ではないでしょうか?

例えば同じお吸い物を
「このだし汁には雑味がある」こう言う人もいれば、
「このだし汁はいろんな風味がある」こう言う人もいるでしょう。
シンプルにうま味だけを味わいたいのか、複合的な風味を楽しみたいのかという違いです。

「この酢の物は味がぼやけている」
「この酢の物は優しい味」

「このタレは濃厚でごはんがすすむ」
「このタレは素材の味を殺してしまっている」

感じ方と表現方法は多様です。

その共感が多いものほど “一般的感覚” となって定着していくことはありますが、
基本味を判別できることが美味しさをジャッジできるというわけではないので「美味しくない」「あの人は味覚がおかしい」なんて言うのはナンセンスなのです。

大半の人は、味覚は正常です

ちょっと食通・美食家たちの話からそれますが、基本味の判別が難しくても味覚がおかしいわけではありません。

味オンチ、バカ舌、メシマズ…まぁ世の中には辛辣な言葉もあるもんです。
世論の “美味しい” から、好みに偏りがあるか経験数が足りていない、もしくは大した興味が無いだけで、ほとんどの人の味覚はいたって正常だと思います。

もしそれを気にしている人がいたら、いろんな分野の食べ物をとにかくたくさんの経験をしてみることをお勧めします。
必ずしも高級食品である必要もありません。

ただ、酸味だけ感じない、味をあまり感じない、醤油が苦い、などの場合は病院に行きましょう。

まとめ

食通たちは食の経験値の高さによって基本味の判別ができている可能性は大いにあります。

でも、

“好み”と混同して評価をすればウザがられる
“味の判別”と“好み”を分けて表現できる人はウザがられない

といったところでしょうか。

しかし今回はやたらとウザいウザいの連呼となりました。お聞き苦しい点どうぞお許し下さい。


今回の、ウザい食通・美食家たちと通ずる、
“味というものをわかってない料理人” について書いた記事もあるのでこちらもよろしかったらご覧ください。
料理人って本当に「味」がわかってるの?味を知っている料理人とは?

最後に、
美食家ぶるわけではないんですが、激ウマおかき紹介します。
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こんな記事も書いています。よろしかったらご覧ください。
どこから料理上手?料理人から見た「この人、料理上手だな」と思う人たちの特徴5選。



「あの人に嫌われてないかな」相手の無意識なしぐさで“好意”があるか読み取る方法教えます

料理人の茶話
ワシヲ タカコ

筆者 ワシヲ タカコ
食生活アドバイザー 薬膳食育師 メンタルケア心理士
飲食店経営はじめ多種多様な食のお仕事をしています。
そのため更新は不定期、コメント欄もありませんがご質問等はお問い合わせよりお気軽にどうぞ。
ここでは顧客心理をベースに実践してきた接客・集客・経営ノウハウを現場目線で紹介しています。

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