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料理人になるには?現役料理人が教える『現場レベルで見る必須条件3つ』料理人に向いている人とは?

料理人になるには?現役料理人が語る3つの必須条件。料理人に向いている人と向いてない人とは? 料理人の茶話

料理が得意なら、一度は自分のお店を持つなどの『料理人』に憧れたり、志したりする方は少なくないと思います。

料理人の私も、やっぱり時々聞かれるこの質問
「料理人になるには何が必要?」
「料理の仕事がしたいけど自分は向いてるのか…」

しかし料理人に限らずどんな仕事もそうですが、得意だから仕事としてやっていけるかどうかは一筋縄ではありません。

今回は料理人という仕事として『有るべき素質』と『無い方がよい素質』についてお話していこうと思います。

ただし、料理が得意、おもてなしが好き、美味しい料理で人を笑顔にしたい、清潔好き、細かな視点を持っている、追求心など、そんな当たり前な条件はあえて省き、現場レベルで本当に必要な条件を3つ、解説しています。

そして料理人といっても幅広くありますが、今回は、自分の店を持ちたい、ある程度主力のポジションにつきたい方に向けた内容となっています。

料理人に向いている人

いや、向いているかというよりは、これがないと料理人として務まらないと言っていいくらいの3つの必須条件です。

1、体力がある、ストレスに強い

料理人に必要な素質を聞かれたら、私が真っ先に返す言葉がこの『体力』『ストレス耐性』です。

女性の料理人もいますが、やはり主体は男社会であることもそれを表していますよね。
座ってやる料理はほぼないので基本立ち仕事です。意外に力仕事もありますし、忙しい時間は全身フル活用です。

さらには、厨房の環境や季節によって、灼熱地獄の中で作業することもあります。
自営や主要な立場になると、代わりがきかないので体調が悪くても休めないこともざらです。
これだけでも、足腰の強さや力のタフさ、環境へのストレス耐性が必要とされる職業であることがおわかり頂けると思います。

どんなに料理が得意でも、疲れやすかったりストレスを受けやすい人には続けることは難しい職種なのです。

2、こだわりとプライドが強くない

こだわりとプライドが強くない。
一見すると持ち合わせていたほうが良さそうな性質に思えますが、逆から言うと、“お客様の好みに寄せられる柔軟さ、対応力” が欲しいところなのです。

これが美味しいんだ!という揺るがないプライドは今の時代、足かせになりかねません。

料理人なら誰しも経験すると思いますが、自分が自信をもっている料理、絶対喜んでもらえると思っている料理と、お客様が好むものが違かったりすることがあるんですよ。

例えば、手間と時間をかけて作った渾身作より、旬の素材をチャチャッと炒めただけの料理がよく出たり…

「まずはお塩で素材の味を楽しんでください」って言っても、最初はそうしてくれるけど、なんだかんだ皆さん後からソースで食べていたりとか…

客層もあるし、土地柄などの環境、季節の影響、ただのタイミングということもあります。
お客様の様子を見ながらそれをいかに汲み取り、材料や味をどう調整していくか。
お客様と自分のズレは、自分のこだわりにしがみついちゃうと、すり寄せが難しいんです。

今時代、飲食店は溢れるほどありますから、お客様はいくらでも自分好みのお店を見つけて移っていきます。
『自分の料理を食べてもらいたい』よりは『お客様の喜ぶものを作りたい』という感覚のほうが息が長いというわけです。

3、マルチタスク型

マルチタスクとは複数の作業を同時並行でこなす能力のことです。

当然ながら、仕事場ではひとつの料理だけに手をかけることはできません。
いくつかの作業を並行し、周囲にもアンテナを張りながら、効率よく進めていきます。

食材や作業手順の変更、他のスタッフとやり取りしながら頭と体を動かし続けます。
さらに、オープンキッチンなどの場合は、そんな作業の最中にお客様の様子を見たり、軽い接客会話にも対応することもよくあります。

余談ですが、このマルチタスク、実は近年では “失敗率が上がるスキル” とも言われています。
シングルタスク(1つの作業に集中する)のほうが効率の良いとされているんですね。確かにそりゃそうです。
しかし、そうは言っても結局は、厨房という現場ではどうしてもマルチタスクのスキルが必要になります。

慣れもありますが、比較的高度なマルチタスクが必要と思ってよいと思います。



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料理人に向いてない人

料理人に向いてない人とは、単純ではありますが前述の向いている人の逆タイプになります。
①体力に自信がない
②こだわりとプライドが強い
③シングルタスク(シングルタスクとはひとつのことを集中してやる能力のことです)

それともうひとつ、

④料理人というものになりたい人
です。
料理人になりたい人は料理人になれない…

これは、俳優の佐藤二郎さんが、とあるインタビューでご自身の好きな言葉を
「画家になりたい人は画家になれない。絵を描きたい人が画家になれる」と紹介したものになぞらえています。
佐藤二郎さんは超大手企業に就職するも芝居が諦めきれずわずか1日でお辞めになり、俳優として成功されたという経歴があるそうですが、ご自身はその人生の分岐について
「俳優になりたい人は俳優になれない。芝居をしたい人が俳優になれる。…これに尽きる」
と説明されていました。
これは料理人の私も大きく共感したのでちょいと拝借してまいりました。

『料理人になりたい人は料理人になれない。料理を作りたい人が料理人になれる』

例えば、映画やドラマなどで、美しい料理をクールに作り上げるシェフ役の俳優を見て自分の姿をそこに重ね合わせるなど、料理をしている自分の姿ばかり想像し憧れるのなら、遅かれ早かれ現実との違いに疲弊する時が来ると思います。

美味しい料理を作りたい、お客様が喜ぶ料理を作りたい。
私も紆余曲折ありましたが続けてきた理由は結局これなんだと思います。

飲食店業界もまた浮き沈みの激しい世界です。
おまけに肉体労働だし、毎日同じような作業や地味な作業ばかり。
テレビや雑誌で見るカッコいい料理人たちもみんなその裏舞台にいるのです。

料理を作りたい人でなければそりゃ続きません。

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調理師免許について

食生活アドバイザー。独学取得から仕事での実用性について

すでにご存知かと思いますが、
調理師免許はなくても料理人の仕事はできます

国家資格である調理師免許は、給食センターなど特定の調理施設、また、普通の飲食店でも調理師免許所持者限定、もしくは採用優先という基準をもっている所はあります。

ちなみに私の周りの料理人の方たちは、調理師免許を持っている方は3割前後といったところですね。

ちなみに私は、
『食生活アドバイザー』という民間資格を持っていますが、これはスキルのアピール程度のものですね。
フードコーディネーターとか野菜ソムリエと同じように、いずれも国家資格ではありませんが、
『ちょっとその道に詳しい人』くらいの認識は持ってもらえる、ささやかな肩書きだと思っています。
履歴書の資格欄にも書けませんし(いや、書こうと思えば書くのは自由だけど)就職が有利になることもまずないと言っていいと思います。
幸い、私の場合はこの肩書きにより頼っていただいたお仕事もありましたので有益だったと思っています。

食生活アドバイザーについては、こんな記事も書いているのでもし興味がありましたらご覧ください。
食生活アドバイザー 資格所持者の私が独学取得から仕事での実用性までお話します。



最後に、これちょっと女性向けではあるのですが、
在宅で食の仕事がしたい方向けのオンラインスクールがあるのでご紹介しておきますね。
フードライター、フードブロガー、料理動画クリエイター、オンライン料理教室講師などフードクリエイターの養成スクールです。
好きな『食』を活かし、パソコン1つで働けるスキルを取得し、時間や場所、ライフステージの変化に縛られない働き方が学べます。ご興味ある方は覗いてみてはどうでしょうか。

在宅で食のお仕事をするための学び
食のクリエイティブスクールMia


料理人の茶話
ワシヲ タカコ

筆者 ワシヲ タカコ
食生活アドバイザー 薬膳食育師 メンタルケア心理士
飲食店経営はじめ多種多様な食のお仕事をしています。
そのため更新は不定期、コメント欄もありませんがご質問等はお問い合わせよりお気軽にどうぞ。
ここでは顧客心理をベースに実践してきた接客・集客・経営ノウハウを現場目線で紹介しています。

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