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飲食店経営者が見た『浮気の才能をもった男』の圧巻の不倫劇。飲食店ドラマ「浮気の才能」

料理人の茶話

飲食店をやっていると、いろんな人たちに出会い、そこにはいろんなドラマがあります。
その中でも、男と女の関係はよく繰り広げられる人間模様ではありますが、
今回は浮気の才能の持ち主とも呼べる、とある男性の不倫劇を徒然なるままに…。

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才能にあふれた圧巻の不倫劇

私がよく行っていたお店で時々見かけていた若いご夫婦。お子さんはいなく、よく2人で外食をされているとても仲の良いご夫婦です。

しかしこのご主人のほう、だいぶ浮気性なところがあって、奥さんが一緒じゃないときには行く先々のお店の女性従業員やお客さんを平気で口説いちゃうんです。
その界隈ではすぐに手を出すことで有名な方でして、要注意人物としているお店もあるくらい。

そのご主人が奥さんとは別の女性と居酒屋にいた時の話です。
しかもその居酒屋はご夫婦でもよく来ているお店でもあります…。

ご主人とその女性はカウンター席で横並びに座り飲食をされていました。
ご主人より明らかに年上の中年女性。聞くところによるとその女性はどちらかのお店のママさんのようで、最近になってご主人と深い仲になり、周囲も暗黙の了解なのだそうです。

ご主人は公共の場でも周りを気にすることなく、ママさんの背中に手を入れたり、胸元に鼻をスリスリしたり、顎を甘噛みするなど、なんのプレイかはよくわかりませんが公然わいせつ手前のスキンシップを会話とともに楽しんでいます。
そしてママさんのほうも、さほど嫌がる様子もなく手はずっとご主人の太ももの上に置いています。
お酒に酔っているのかどうかはわかりませんがお2人とも終始ご機嫌で、こういっちゃなんですがとても幸せそうな雰囲気です。

気付くとご主人、電話を手に誰かと通話をしています。「○○居酒屋で飲んでるよ!こっち来れば?」と言うような、なにやら仲間をそのお店に呼んでいるようです。

電話を着るや否やご主人、店員をつかまえて何か説明をした後、自分だけ2つほど席をズレたんです。さっきまで公開イチャイチャをしていたママさんとの間に2席、空席がある状態です。

これから来る予定の仲間の分の席を用意したのか、
と思いきや…

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ほどなくして、女性がお店に入ってきました。

すぐさまご主人が「こっち!」と言わんばかりに手をあげたその女性は、なんと奥さんです。

奥さんは店員に会釈や挨拶をしながらご主人の隣の席に着きます。
先程、ご主人が電話で呼んでいたのはこの奥さんだったんですね…。

浮気相手と飲んでいたところ、奥さんと合流する流れになってしまい、急遽 “それぞれ別で来ている客“ を装った…という展開でしょうか。
そして、このまま席の離れたママさんとは素知らぬフリをする戦法なのだろう、
と、これまた思いきや…

ご主人、奥さんがドリンクを飲み始めて一段落したころ、
「そうそう、こちら○○(お店の名前)のママさんなんだよ」と一人で飲みにきた風のママさんを奥さんに紹介したんです。

読みがハズれました。
浮気相手を奥さんにあえて紹介する戦法、だったようです。

推測するに、ご主人とママさんは何かしら面識ぐらいはあり今日たまたまこの居酒屋で会った…という設定なんだなと踏みます。

席は少し離れているものの時折店員を巻き込みながら3人は会話を交え、居酒屋で居合わせた客同士がだんだん意気投合して盛り上がる、というよくあるシチュエーションが完成していきます。

通常、妻と浮気相手が向かい合う構図とは、だいたい修羅場だと相場が決まっていたかと思います。
しかしそこはまるで女子会にも似たような賑やかな席でした。

ご主人も奥さんの肩に手を置いたり首を揉んだり、いつもどおりの仲の良いご夫婦の姿をオープンにし、またママさんもご主人よりは奥さんとの会話に花を咲かせるという、とんでもなく華麗なる連携プレイ。

そして宴もたけなわの頃、
まさかの3人でお店を出られました
おそらく2件目、もしくはママさんのお店にでも移動されたのでしょう。


お見事です。
お見事としか言いようがありません。

もし私が奥さんでも、
自分もよく行く居酒屋で、ご主人に誘われ、顔見知りを紹介され、楽しく食事を共にしたら、確かに疑わしさは感じないかもしれません。

本来、浮気の在り方とは、教科書こそありませんが、誰もがパートナーに感づかれぬよう『影でコソコソ』が語らずも受け継がれてきた手法のはず。
それを『外で堂々と』欺くとは、並々ならぬアンテナと精神力があってこそできる技です。

まさに才能というものを目の当たりにした、そんな浮気劇でした。

ただ、
そこに関心も尊敬の念も一切ありませんけどね



最後にこの本を紹介しておきますね。
脳科学者と政治学者が不倫の本質についてあらゆる角度から語っています。もちろん不倫は社会通念上、好ましくないないことなのですが…
しかし、不倫遺伝子なるものがある、仕事ができる男が不倫をしやすい、人間の脳は一夫一妻制に向いていない、など、『仕方ない。人間だもの』みたいな内容に、半ば諦めの境地すら見えてきてしまう、良いんだか良くないんだかわからない対談本です。




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