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高い廃業率、やばい飲食業界、それでも収益を上げる飲食店経営者たちの共通点は『客観的イメージ』

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前回、飲食店経営が地獄かどうか、飲食業界の厳しい現実をお話ししました。
長いトンネルのように先が見えない暗い業界の話でしたが…前話【飲食店経営は地獄なのか…飲食店の実状】はこちらから

物が売れない時代。
飲食店の飽和時代。

ただそれでも確実に利益を出している経営者さんはたくさんいます。

その経営者さんたちのほとんどに共通していると断言してもいい特徴、それは『客観的イメージ型の人
そして今からでもその思考に近づける方法、今回はそんなお話をしていきます。

ちょっと長いですがぜひ読んでもらいたい!
特にこれから開業をお考えの方にもお勧めの内容です。
最初はぼんやりとしかわからないかもしれませんが読み進めていくとイメージができると思います。

まず、飲食店を続けている人のパターンは大きく2つ

今この時代に飲食店を続けている人には、ざっくりと分けてこの2パターンが大半だと思います。

ひとつは、踏ん張り続けている人
「お金かけて始めた商売、後に引けない」「頑張っていればいつかは」などある意味、呪縛のようでもありますが、経営がままならない中で踏ん張り続けている…。

もうひとつは、ちゃんと飯食っていけている人です。
順調に収益を上げ続け、経営を成り立たたせている経営者さんです。

前者は対策を講じなければ廃業の一途です。開業から数年と間もない経営者に多いのではないでしょうか。

そして、気になるのはこの後者のほうですよね。
その、飯食っていけている飲食店経営の多くに、同じような特徴…いわゆる共通点があるのです。
それは神の手でも先見の明でも肥えた舌でもありません。

客観的イメージ型経営者のお店 = お客様が居やすいお店

お客様が感じていることをお客様側から見るようにイメージしている

こういう経営者は多くのお客様に居やすい空間、心地よい時間を提供することができます。

どんなことをお客様側からイメージしているのかというと、
例えば、
・自分の料理やサービスは本当にお客様が幸福感を感じるものなのか?
・なぜ外で入るか迷っていたのか?
・どんな時にこの店に来ようと思うのか?何に心地よさを感じるのか?
・何に目を奪われるのか?

簡単に言えば「そんなの気分だよ」という言葉で片付いてしまうのですが、その「気分」ってやつをお客様側からのビジョンで見るようにイメージしながら店づくりをしているんです。

料理が美味しくないとダメ、入りやすい店じゃないとダメ、キレイじゃないとダメとか、そんなマニュアルめいたイメージではないんですよ。

お客様が欲するものというよりはもうちょっと奥のお客様の無意識』のほうに目が向いている…といったほうが近いでしょう。

1人1人よくチェックして分析するのではなく感覚的にやっている人が多いと思います。
こういう経営者さんたちは総じて、きっと『人』を見るのが得意なのでしょう。

これ、なかなか簡単なことではないのですが、最後の項にちょっとだけその思考に近づける方法を我流ではありますが紹介していますので、さっさと知りたい方は中間飛ばして読んでもらってもOKです。

逆のタイプ “主観型” 経営者との違い

実際、余計な自信を持った主観型の経営者さんもいます。

物がなんでも売れる昔ならまだ良かったのかもしれませんが、飲食店が飽和状態にある今の時代には適さない経営者さんと言えるでしょう。

主観型の経営者さんは、自分が自信を持っているもの、手間ヒマかけたもの、流行りもの、希少なものならお客様は喜ぶ!と思っている節があります。

お客様のことを考えて…と思い込んだ、自分の主観を売ってるだけの経営者さんですね。
旨けりゃ、安けりゃ、駅近なら、ドカ盛りなら、いい食材使えば、会員特典つくれば、SNSで宣伝すれば、バイトにカワイイお姉ちゃんを入れれば、親身な接客をすれば、お客様は喜ぶ…みたいな。

これらは営業テクニックの一部としては良いものの、それさえやってれば利益を出し続けられるというなら飲食業界の廃業率が年々高くなることなんてないわけでして。

それに対し、客観イメージ型の経営者さんはお客様が望むものが今の旬のものという方向から考えていきます。

客観的イメージ型
お客様側から自分の店を見ようとする人

主観型
経営者として自分の店を見る人

という違いです。

主観が『悪』というわけではないのですが、主観がメイン=視野が狭い、ということになりますから、多くの人を相手にする飲食業では悪い影響を及ぼす可能性が断然高いのです。

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AとB、どちらが人気がでるか?

ちょっと余談なのですが、以前、知り合いの経営者さんから聞いた興味深い話をします。

肩こりがつらくてマッサージ店に訪れたお客様がいるとします。

・マッサージ師Aは、これは腰からきていると判断し腰を重点的にしっかり施術する

・マッサージ師Bも、腰からきていると判断しますが、症状がでている肩を丁寧にほぐす

さて、どちらのマッサージ師が人気が出ると思いますか?

Aのほうが根本的な解決を試みて効率よく施術していますよね。
でも実は、お客様から人気のあるマッサージ師はBなんですって。
きっと、今お客様が抱えてる不快感にとにかく寄り添っているからだと思います。

これはどんな仕事にも通ずるものがあります。

では、客観的イメージ型にどうやったら近づけるか?

では、どうやったら客観的イメージ型の思考になれるか?
それにはまず自分のことをよく客観視することを試みてみると良いと思います。

例えば、目の前で友達カップルの些細なケンカが始まったとしたら、
「どっちもどっちだな」「意地貼らないでどっちかが折れりゃ済む話じゃん」くらいに思いますよね。ヒートアップしたら話にならないんだから「まぁまぁ落ち着いて!」って。

でも自分とパートナーが同じようなケンカになったときはそうはいきません。
感情が乱れ、主観のぶつけ合いになります。

そこをなんとか、テレビドラマを見るように一歩離れて全体図を観察してみます。
先ほどの友達カップルを見ているような立ち位置から考えるようにする、という感じです。

「怒っててもこの物言いは良くなかった」「感情論になったら収拾つくわけがない」「自分の気持ちが治まらないのと同じように、相手の譲れない点は何なのか」というように。

難しかったら後々、冷静になったときに主観と客観に分けてその時の事を考えてみるのもいいですよ。

また、自分が他の飲食店に行った時、
メニューや料理、客層や接客を参考にしてしまうのも経営者の性分としてあると思いますが、どちらかというとあんまり深く考えず自然に身を任せて楽しんでおいて、自分がお客として取った行動を思い返してみる、というのもアリです。

「もう帰ろうと思ってたのについハイボールをまた頼んじゃった」
…これもまた「そういう気分だったから」で片付いてしまう行動ですが、なんでその気分になったか考察してみる。
「ああ、他のお客さんが大声で飲み物を注文していたのにつられちゃったのかな」など。

人はどうしても主観が先行する生き物。
自分の価値観が一般論だと思ったり、自分とは全然違うタイプを特異的な人のように見えてしまったりします。
なので、その主観から離れて一歩後ろから見渡すように客観的に考えるんです。

自分を客観的に観測することを『メタ認知』とも呼んだりします。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、メタ認知能力は、近年はビジネスにおいても注目されているスキルです。
あくまで自己モニタリングではありますが、 そうしていくうちに客観的に見るということがどういう感じか掴めるようになり、自分のお店を客観視する=お客様視点からイメージする、ということも分かってくると思います。

日頃からのその客観的イメージ力や思考力があると、お客様にとって利用しやすい(美味しい、楽しい、心地良いなどの)幸福感を得られるお店作りに繋がるのです。


メタ認知についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、ご興味がありましたらぜひ参考になさってください。
メタ認知能力が低いとどうなる?メタ認知をわかりやすく解説。トレーニング方法

あの常連さん来なくなったなぁ。本当のことは常連さんにしかわからない

しかしながらこんなふうに解説している私も、わかっちゃいるのに主観に左右され常に模索状態でいます。
勘違いも多々あります。考えることに時間もかかります。
でも、そうするかしないかで軌道は確実に変わっていくと実感もしています。

この記事を読んで、少しでもピンときた方は客観イメージ力を備えた人なんじゃないかなと思います。

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