接客業の方々のお悩みとして常にトップランクに君臨している問題と言えばコレではないでしょうか?
『ムカつくお客さん』
『うざい常連さん』
お店が不利益を被るようなモンスターであれば出入り禁止にするなどしかるべき対処ができます。
しかしそこまでの損害はないものの、性格や言動がどうも苦手、ムカつく、うざい、きもい、と感じてしまうお客様の接客中、皆さんはどうしていますか?
今回は私がやっている、ムカつく気持ちを抑える方法を紹介します。
そもそもムカつく感情が沸かないようにすることは残念ながらできません。
ムカつくお客様をギャフンと言わせてやりたいところですが、関係を継続するならやはりそれは賢いやり方ではありません。
人を変えることは難しい。そして、人を変えようとすれば自分も同じ返しを受けるのが世の常です。
ならば自分がムカつきを少し抑える、転換していくなどのコントロールが、人間関係上、精神衛生上には得策と言えます。
ではまずはじめに、なぜムカつく気持ちが沸いてしまうのかを解説し、そしてそれを抑えるコントロール法を紹介していきます。
まず『なぜムカついてしまうのか?』を知る
ムカつく感情ってなくてもいいと思いませんか?
仏のように心穏やかに過ごせるのなら誰だってそうしたいものです。
なぜこんなストレスフルな感情が備わっているのかというと、
『自分が傷つかないように』です。
ムカつく=怒りですよね。
本来、怒りの感情は自分や家族に危害が及ばないよう、感情を奮い立たせ、脳と筋肉に血液を送り、体を戦闘モードに切り替えるためにあります。
戦闘モードに入ると胃の活動が止まります。食べ物の消化活動は戦闘時に必要ないからですね。
このとき胃にムカつきを感じることがあるため、『ムカつく』という言葉が怒りの表現として使われているそうです。
でもムカつくたびに戦うなんて、現代の人間社会ではなかなか不合理ですよね。
秩序を守るために、抑えたり、転換したり、他所でストレス発散したりなど、戦わずに工夫ができるのが人間です。
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ムカついたときのコントロール方法
我流も含まれますが、ムカついたときに気持ちを抑えるコントロール方法を2つ紹介します。
一つめは『相手のクセを見つけるミッション』
脳のシステム上、ムカつく気持ちは他の作業との同時進行が難しいとされています。
このシステムを利用するんですね。
どうするかというと『別作業』をするんです。
お客様との接客中になかなか表立って別作業もできないでしょうが、もし可能であれば『お客様のクセを見つける』…こんなミッションをゲーム感覚で。
私は昔よくやってたんですけど、嫌いなお客様が口癖で「○○つってぇ」(…○○と言って、の略)をよく言う人だったんです。
あんまりにつってぇつってぇ言うもんだから、いったいどのくらい発言してるのか数えてたんですよ。
おお、こないだよりペースアップしてる、とか、今日はつってぇの気分じゃないのかなとか。
お客様をよく見ていると、みなさん本当にそれぞれ細かなクセがあって、
自分が喋っているときによく髪をよく触るとか、
貧乏ゆすりするのは右足だけとか、
話の中で息継ぎのように「まぁ」を入れてくるとか
考えているときは目が右を向くとか、
そんな行動のクセを探すというミッションが1つあるがために、ムカつく感情がごまかされてくれることがあります。
そしてそんなクセを探していると
「偉ぶってるけど落ち着きないな」
「美食家気取りだけど食べ方が汚いな」なんてことも見えてきます。
お客様が一生懸命大きな人間に見せようとしている中で小っちゃい部分や矛盾が垣間見れて、人間らしさすら感じてくるのです。
しかしこのミッション、接客に支障が出るようでは元も子もないので、状況にあわせてお試しください。
二つめは、『お客様の問題点はお客様だけのもの』の精神
『このお客様の人生はお客様が背負うものであって、私の人生じゃないからどーでもいーや』くらいの精神です。
自分の人生は自分のもの、相手の人生は相手のもの。
相手がどんなに嫌なヤツであろうと短所や問題点は相手が背負っていくものですから私には関係ないんです。
別々の人生であることにきっちり縄張りのバリアを張るイメージです。
とはいえ接客時は実際に人と人が関わっている状態です。
言葉使いが悪い、横柄な態度をとる、理不尽な要求などがこちらに直接向けられれば穏やかではいられないのは当然です。
しかし、『お客様の問題点はお客様だけのもの』と言い聞かせていると、お客様に心を揺るがされにくくなると思います。
接客業として見るととても冷たい心持ちのようですが、お客様の言動に揺るがされ、ムカつく気持ちに脅かされている状態では本来のパフォーマンスが発揮できません。
番外編としてもうひとつ『笑いのネタとしてグチを吐く』
信頼できる人に、思いっきりグチを吐く。
しかも面白おかしくです。
少々、センスとテクニックが必要なので『自分ならできそう』という人向けに番外編として紹介します。
真剣なグチは、結局スッキリしなかったり後味の悪さが残ることもあります。さらには聞き手にも負担をかける可能性もあります。
ここで、芸人さんになったつもりで、ネタを披露するようにグチを吐くんです。
「○○様に呼ばれて行ったら『おまえじゃない!』って。ワシじゃないんかーい」(面白くなかったらごめんなさい)
というようにグチを笑いのネタのように扱うと、以降もこのお客様にムカつくことがあっても『はい、またネタを頂きました!』と、何もないネガティブな状態よりは気分が転換されやすくなります。
注意点としては、くれぐれも口が堅く本当に信頼できる相手に吐く、ということですね。
いかがでしたでしょうか?
ムカつく気持ちはどうしたって沸いてきてしまうもの。それを少し逃していくコントロール法を今回紹介しました。
ちょっとでもお役に立てれば幸いです。
『怒り』についてもっと深く解説している記事はこちら。
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