職業柄、お客様や知人なんかと食材や料理の話によくなります。
そんな中で、実際に料理を食べなくても、接しているだけで「この人は結構料理できるだろうなぁ」と思うことがあります。
今回はそんな、料理を食べなくても「この人絶対料理上手だ」とわかる、特徴を5つ解説します。
その前に、そもそも料理上手ってどこから、どのくらいのレベルからそう呼んでもらえるのか、経験からの持論から述べさせてください。
料理上手の絶対条件は “経験値”
はい。経験値の高さは絶対条件です。
これがなければ料理上手とは呼べない、と断言します。
以前書いた、
「料理上手な妻や彼女は浮気をされない」…のではなく、「浮気されても戻ってくる」でしょうの記事でも触れていますが、料理上手に明確な定義はありません。
なので一般的感覚で言葉にすると
1、料理が好きでバラエティに作れる
2、基本的な料理はレシピなしで作れる
3、味付けのバランスや濃淡の平均値をわかっている
そして本来、“料理上手” とは自分で名乗るものではなく、それを味わった人たちから名付けられるもの。なので、私が個人的に付け加えたい要素、
4、食べる人の反応や好みを情報収集するアンテナがある人
作った自分だけが満足する料理では、料理上手は単なる “自称” なってしまいますからね。
これらのスペックを習得するには、レシピ本を読み漁ることでも、良い食材を買い漁ることでもなく、とにもかくにも料理の経験と、人にそれを食べてもらう経験をたくさん重ねなければ得られないと考えます。
まぁ何事においてもそうですが、料理もまた、発想力だけでこなせるものではありません。
たとえ、天才的な発想の持ち主でも「作る、食べる、食べてもらう」という実践的な経験値が低ければ活かせないし、逆を言えば、実践的な経験値が高いからこそ、魅力的な発想が出てくるものでもあります。
材料ならその特徴やクセ、個体差、処理方法、相性など、さらにあらゆる調理方法による火・温度加減、水加減、手順(手際、タイミング)など、
そして、食べた人の反応や好みのリアルな情報を収集するなど、これらを組み合わせると、数値化できないほど何通りもの経験が必要です。
星がついたお店のシェフも、有名な料理研究家も、その腕前は何度もこれらの経験を繰り返し、脳と体に備えてきた賜物なのです。

ではそれを踏まえて、料理上手だな思う人にある特徴を5つ、紹介していきますね。
1、コピー能力に長けている
コピーと言うとちょっと印象悪いかもしれませんが…
例えば、お店で料理を食べた時や、グルメ番組を見てる時に「これいい!今度作ろう!」と言う人は、料理の上級者ならではですね。レシピも要さず、ビジュアルや食感や味を頼りに、作れる力があるからこそ出る言葉です。
また、料理上手って一般的な家庭料理はおよそ作れるので、新しいレパートリーを増やしていくのが好きなんですよ。外で食べた美味しいもの、目で刺激を受けたもの、自分の中で新鮮さを感じたものに強い興味とチャレンジ精神を抱きます。
2、味の想像ができる

味の想像がすぐできる。
どういうことかと言うと、例えば 「きゅうりに蜂蜜をかけるとメロンの味になる」的なやつあるじゃないですか。
料理上手なら「どうなんだろう…ホントかなぁ」とはなりません。
頭の中の膨大な食材の特徴データから「メロンの味にはならない」と、食べなくても想像できるからです。
料理番組やレシピ本はもちろん、味変、ちょい足しレシピ、 これを入れるだけでプロの味!なんていうネタも、材料もしくは調理過程などざっくり聞けば、どんな味になるかだいたい検討がつくわけです。
3、メニューを決めて買い物するより、買い物したものからメニューを決めるほうが多い
今日はコレを作ろう!と決めて買い物することもありますが、それよりも、特売や旬のものを見つけると買っておいて後からメニューを考えることのほうが多いですね。
むしろそのほうが効率が良いと考えています。 いわゆる “やりくり” です。
豊富なレパートリーによって、家にある食材を見て、一連の献立がイメージできるので、偶然出会ったお買い得品や旬のもの、そのお店でしか買えない商品をまとめ買いすることに、なんの不安もないのです。
経済的、時間的やりくりも料理上手の特徴と言えます。
よく「冷蔵庫の中のあり合せのものでパパッと作る」とかあるじゃないですか。あれもこの能力ならではのスキルです。

4、失敗してもなんとかなるし、余りものも上手にリメイク
料理上手だって失敗は永遠の付きものです。
ただし、これすらなんとかしてしまうのもまた料理上手の技です。
・肉じゃがを煮すぎてしまってコロッケに変更
・パンの発酵がうまくいかなくてピザに変更
・肉味噌を作りすぎて麻婆豆腐にリメイク
・唐揚げが余ってしまって甘辛に煮てお弁当に
など、予期せぬアクシデントを好転換する力を持っています。
5、おこわや炊き込みご飯が得意

すみません、これ完全に個人的見解ですが、おこわや炊き込みご飯が得意な人は、料理のスキルがかなり高いと私は見ます。
作ったことがある人ならわかると思うのですが、おこわや炊き込みご飯って、レシピどおり作っても、ちょっと柔らかくなっちゃったり、味が薄かったり、混ぜたら具が潰れちゃったり、意外と簡単にはいかないんです。
炊いている途中での調整ができないので、具材の特徴やバランス、それに含まれる水分量、味加減、仕上がりの色味、などを全て予測して炊く前に一発で決めないといけない料理です。
これをレシピなく感覚的に作るには、料理の経験値が高くないと、成せる技ではないと考えます。
逆に、こだわりだけでは料理上手かどうか…
なんとかの塩、どこ産のオリーブオイル、旨味調味料は使わない、お鍋は鉄やステンレス製で…
一見、料理上級者のようだけど、これって言ってみれば料理初心者でも手を出すことができます。
もちろん料理上手にも一定のこだわりを持つ人はたくさんいますが、こういう話ばかりする人は、ただのこだわりアピール、もしくはこだわりにとらわれている人が多く、これだけでは本当に料理上手かどうかを見極める要素としてちょっと足りないんです。
実は料理上手な人は、麺つゆ、ほんだし、コンソメ、クレイジーソルト、キムチの素、ドレッシングなど手軽な調味料も味の特徴や質を捉えて上手に使い合わせる人が多いです。
カット野菜、冷凍食品、お肉の味噌漬けのような調味食品を使う人もいるし、なんなら、できあいのお惣菜を買って別物にリメイクする人もいます。
ちなみにこれ液体の昆布だしなんですけど、煮物や汁物はもちろん、和風スパゲティやソテーやら、使い出すといろんなものに使いたくなるんですよ。うちの家族は卵かけご飯と納豆のしょうゆ代わりにかけています。
我が家の常備品でして、ちょっとご紹介させてもらいました。
料理上手は、いろんな食材に触れ、いろんな調理法をこなしてきたからこそアレじゃなきゃ、コレを使わなきゃ、という概念が少なく、どんなものでも、どんな環境でも、美味しいものを作れる対応力、臨機応変さに優れています。
それゆえに、技術の進歩、レパートリー、味の幅広さにつながっていくのだと思います。
最後に私がお店と自宅で愛用しているダスキンの食器洗いスポンジを紹介します。
飲食店ではわりと使っているところも多いと思いますが、へたりにくく非常に丈夫なスポンジです。
もしスポンジを100均などで購入している方でしたら、断然こちらのほうがコスパが良いのおすすめですよ。モノトーンカラーもおしゃれですしね。
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