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食事中のお水を飲むのはマナー違反?お酒は良いのに水やお茶はNGとされるその理由とは?

食事中のお酒お水、ワインと水 料理人の茶話

今の時代、ほとんどの飲食店でお水はサービスで用意してもらえます。
家庭の食卓でも汁物以外にお水やお茶などの飲み物が供されることもごく普通の光景です。

そんな今時代でも一定数いる食事中のお水やお茶はダメ派

その理由を今回は解説していきます。

大きく2つの理由があります

食事中のお水が良くないといわれる理由は

1、昔からの験担ぎ(げんかつぎ)
2、身体に及ぼす影響

この2点です。

私も長いこと幅広い年齢層のお客様と接してきましたが、食事中にお茶やお水を飲むことを嫌う方は何人かいました。

好きなもの飲ませてくれよ…と思うのが正直なところですが、年配の方との接待や、自身や家族の健康面においても知っていて損はないお話です。

ごはん中のお茶ははしたない!は、昔からの験担ぎ

昔はお茶と言えば緑茶のこと。 

芸者や遊女たちがお座敷などに呼ばれるまで、置き屋と呼ばれる待機所で出番を待つ間の仕事として茶葉を挽いていました。

人気の芸者たちは当然、茶葉を挽く暇もなくお座敷に呼ばれ上がることから、お茶を挽くのは景気の悪いとき、またはお客がつかないダメな芸者という意味合いとなり『お茶挽き』『お茶を挽く』という言葉が不景気の象徴として忌み嫌うものとなりました。

また、お茶はお客様が飲食の最後に飲むものであったため『客が上がる』と言う意味でも忌み嫌う風習がありました。
お寿司屋さんの『あがり』も語源は同じ意味です。
あがりはお客様が食事を終えるときに飲むお茶のことで、店側の隠語のようなものです。

逆に、人気の芸者たちは、毎晩あちこちのお座敷でお客とお酒を飲むということで、お酒は景気の良い象徴とされてきました。

食事中のお茶をタブー視する人は、このような縁起を担ぐ、験を担ぐ名残ですね。



ごはん中のお水はだめ!は身体への影響の心配

食事中のお水やお茶が良くないとされるもうひとつの理由は唾液が薄まるということ。

唾液は食べ物を飲み込みやすくするだけではなく、消化の作用、口の中に入ってきた細菌から身体を守ったり、虫歯や口臭を防ぐというとても重要な役割があります。

お水やお茶が少量なら問題ないのでしょうが、口の中の食べ物をしょっちゅう飲み物で流すような食べ方が習慣化すると “唾液はさほど必要ない” と体が学習し、唾液の分泌自体が悪くなり、噛む力、飲み込む力、消化機能、口内環境に悪影響を及ぼすとされています。

我が家でも食事の時は、お水やお茶の何かしらの飲み物を用意していますが、基本的には飲み物がなくても食べ物を食べることができるので、合間合間で口をさっぱりさせるものという意味合いのものです。

ですので『飲み物がないとご飯が食べづらい』なんて人は要注意です。それは唾液の分泌が少ないからかも知れません。
食事中の水分の量を見直していきましょう。

お水やお茶ではなく、お酒なら身体にいいのか?

当然ですが、お酒でも食べ物を流すような飲み方をしたらそりゃダメに決まってます。笑

ただ、お酒の種類によっては、唾液や消化酵素の分泌を促進するものもあります。
ビールやシャンパンなど発泡性のもの、ワインや果実リキュールなど酸味のあるものなど特に “食前酒” に向いているものは消化機能を刺激して食欲増進に繋がります。

食欲や消化や血行などの促進には一役買う効能も認められていますが、適量を守らなければお水よりも体に害を及ぼしてしまうのも事実です。

なぜ、食事にお水が供されるようになったのか?

私は1970年代生まれの人間なのですが、確かに子供のころの食事は、お味噌汁以外の飲み物は食卓にありませんでした。
特に、飲んじゃいけないと教育された記憶はないのですが、お水やお茶は食後に飲むのが普通のことでした。
サザエさんやちびまる子ちゃんの食卓と同じ感じです。たまにお父さんのお酒がありました。

1970年代(昭和40年後半~)にファミレスチェーンが次々に開業、中小企業も含む外食産業の成長は平成に入ってもうなぎ登り状態でした。
外食も『特別な日の食事』から『日常的な食事』へと、メニューも価格も利用しやすい形に変わっていきました。

飲食店ではテーブルつけば当たり前のようにお水が出されます。
しかし当初は、このお水の提供の意味はお客様の喉を潤す目的ではなく『お客様の着席を確認しました』という、店側の店員同士の合図のために置かれていました。
着席しているのにお水のないお客様は、店員がまだ何もしていないという目印となり、対応に走るというわけです。

そして特にファミレスチェーンでは巡回している店員が、空いたグラスに尽かさずお水を注いでくれるサービスが定着し、食事中いつでもお水を口にすることができました。

それが徐々に家庭の食卓にも反映されていったようです。


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私個人としては食事中のお水もお茶も決して悪いものとは思いません。

先方が出してくれるのなら適量を守って飲めばよいのです。

時代の変化も必然、昔ながらの験担ぎも粋な文化、ただ何事も偏りすぎないことが大事かなと…今回はこんな無難な感じで締めようと思います。




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料理人の茶話
ワシヲ タカコ

筆者 ワシヲ タカコ
食生活アドバイザー 薬膳食育師 メンタルケア心理士
飲食店経営はじめ多種多様な食のお仕事をしています。
そのため更新は不定期、コメント欄もありませんがご質問等はお問い合わせよりお気軽にどうぞ。
ここでは顧客心理をベースに実践してきた接客・集客・経営ノウハウを現場目線で紹介しています。

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