前回話、 飲食店のメニュー決めの法則。居酒屋、ダイニング、バーのメニュー作りに何が必か?
にて、メニューを考察するときの法則みたいなものをお話しましたが、それに続き今回は、
「思わず頼みたくなるメニュー表の作り方」について綴っていこうと思います。
さて、
お客様がご来店されて、オーダーに伺ったとき、こういうやりとりあるじゃないですか。
客「ビール2つと…あと、おすすめってなんですか?」
店「当店はホルモン焼きが人気ですよ。日替わりですと今日は熊本の馬刺しと、あと朝採りのアスパラもみずみずしくておすすめです」
客「うーん… じゃ、とりあえずモツ煮と生ハムサラダで!」
…もちろん、おすすめを聞かれたからって、気がすすまなければ注文されないのは当然のこと。それはわかっているんですよ。
おすすめを聞いてくるお客様は、何を食べればそのお店の味がわかるか本当に知りたい人もいれば、挨拶程度、コミュニケーション感覚で聞いてこられる方もいらっしゃいます。
それもありがたいことではあるんですけど、まぁちょっとだけ本音を漏らすと、そんな不毛なやり取りにモヤモヤすることもあるんです。
時には、お客様からも「聞いたからには何か頼まなきゃ」「せっかく説明してもらったのに頼みたいものがない」みたいな、微妙に心地の良くない空気を感じることもあるんですよ。
飲食店のあるあるのひとつだと思うんですよね。
おすすめされたものに魅力や期待感を持ち、頼むお客様もいますが
推されると圧迫感を感じたり、自分の選択権が狭められているように感じてしまうお客様もいらっしゃるわけです。
そんなわけで、
お客様の気分やタイミングで全て選択できる
でも店側も、食べていってもらいたいものをアピールしたい
今回は、これを解決するメニュー表の作り方のコツ、おすすめの方法を5つ紹介します。
お店のイメージやメニュー表のスタイルによって、出来ることと出来ないことがあると思いますが、参考にして頂けたら幸いです。

①人気ランキング表示
「注文数No.1!」「肉料理部門2位!」「人気急上昇中!」のような言葉をタグ付けし、
メニュー表の中で、この店の何が売りなのか、何がよく食べられているのか、をわかりやすく明確に示します。
そうするとまず、冒頭のような不毛なやり取りがなくなります。
なにより、お客様はなんの圧力もなく、他の料理と見比べながら自分ペースで選択できます。
店側としても 混雑時に説明にとられる時間が減るという大きなメリットもあるわけです。
そして意外にもこのランキングに結構お客様は導かれるものです。
百貨店やネットショップでも「1番売れています」「累計○○個販売」などの文字を見ると、なんとなく気になったり購入の選択肢に入ってきますよね。それと同じで、一目で人気度がわかると惹かれやすいのです。
メニュー表じゃなくても、ポップなどの掲示物でランキング表にしても良いですね。
私が1番おすすめしたい方法です。
②おすすめ表示
前述の「ランキング表示」はそのお店のレギュラーメニューが対象になると思いますが、
「おすすめ表示」は、日替わりやイベントメニューなどイレギュラーな料理、また、レギュラーメニューにしてもランキング上位ではないけどそこそこ人気の料理を推すことができます。
「おすすめ!」「人気!」「今だけ!」こういうタグがついているだけで目が行きますからね。
また、「ワイン好きに大人気!」「迷ったらまずコレ!」「辛党ご推薦!」のように嗜好別にナビゲートできる書き方もおすすめです。
ただし、書きすぎは逆に特別感、説得力がなくなります。
ランキング表示とあわせても、メニュー全体の2~3割くらいまでにとどめないと、タグ自体に意味を成さなくなってしまうのでご注意を。

③サッと出せる「とりあえずの1品」枠
「とりあえずの1品」…これも結構重宝されますよ。
サッと出せるような前菜、軽いつまみ、小鉢ものなどをまとめておくんです。
そこに「お待たせしません」的な文言を添えておくと、なお良いです。
お客様はみんな、待つのは嫌ですからね。 メイン料理を待つ間のつなぎ、箸休めに重宝されます。
特にお酒を頼まれるお客様は、とりあえず何かつまみたい…って方、わりと多いものです。
お通しがあればまた違いますが、近年はお通し不要論が勃発しているくらいですし、業態にマッチしないなどの理由も含め、お通しを採用していないお店も多いと思います。
そんなお店こそ、こんなサッと出てくる「とりあえずの1品」という枠、“かゆいところに手が届く”的な計らいはお客様の心地よさを刺激しますよ。

お通しについてはこちらの記事で詳しく書いていますのでよろしかったらご覧ください。
お通しはいらないんだけど…断れる?お通し代や席料、突き出しについてお話します。
④迷えるお客様に「盛り合わせ」枠
前述の「とりあえずの1品」枠に続いてこちらは
「盛り合わせ」枠。
「本日の魚 3種盛り」「焼き鳥人気5本セット」「おまかせチーズ盛り合わせ」
特に女性のお客様、ご新規様、グループのお客様、1品1品注文するのが面倒くさいお客様たちにとって、 1皿で数種類の味が楽しめるというのはとても気が利いたスタイルです。
しかも、セットや盛り合わせってだいたいちょっとはお得だったりしますよね。
そこに魅力を感じるお客様も少なくないので、もしまだ、こういう盛り合わせメニューがないということであれば、何か抱き合わせられるメニューで作ってみてはいかがでしょう。
わりと需要のあるスタイルなのでおすすめです。
⑤料理名はわかりやすく完結に
あまりに長かったり、ちょっと凝ったネーミングは、イメージを持たせるのにはとてもいいんだけど、お客様によってはわかりにくかったり、頼むのに恥ずかしかったりするんです。
「コラーゲンたっぷりクラゲの美肌サラダ」
「クラシックを聞かせてじっくりねかせた○○酒」、
「森のキノコととろ~り卵のココット」
これ、実際に私が外食で遭遇した料理名です。
一瞬、ん?となるものもありますが、確かにイメージは沸きますね。でも、声に出して頼むのちょっと恥ずかしい時ありませんか?
「とろ~り」とかね。
省略して頼むことも出来ますが、丁寧に全て読み上げるお客様も多いものです。
タッチパネル注文のお店であれば、この点については問題ないのでしょうが、言葉の長さにも混乱の可能性があります。長ければ長いほど情報がすんなり入ってこないお客様もいるものです。
ですので、文字に大小つけたり、色やレイアウトの工夫をしながら、
メインタイトルとサブタイトル、もしくはメインタイトルと料理説明、のように分けると良いですよ。
例えば先ほどの料理名の場合、
「クラゲのサラダ」~コラーゲンたっぷり美肌効果!~
「クラシック○○酒」~モーツァルトを聞かせてじっくりねかせた上品な味わい~
「キノコのココット」~森のキノコととろ~リ卵のオーブン焼き~
といった感じです。
メインタイトルは、お客様にとにかくわかりやすく、言いやすく、完結に、をおすすめします。
さて最後に、メニュー表やポップ作りに私もよく使うラミネーターをご紹介しておきますね。
こちらはアイリスオーヤマのA3サイズ対応のラミネーターです。A3対応機種の中でもこれは結構安いほうで、操作は超どシンプル(ラミネートするだけなのでむしろいろんな機能はいらない…)機械オンチでも安心です。お店で使うならA3サイズまであったほうが便利だと思いますが、もう少し安くA4サイズまで対応の機種もありますよ。
100μまで対応ですね。μ(ミクロン)はフィルムの厚さを表していますが、100μあれば掲示物なら十分です。ただ、手にとって見るようなメニュー表に使うには少々ペラペラなので、もうちょい厚めのフィルム対応の機種が良いかと思います。
ちなみにフィルムは別売りですよ。

いかがでしたでしょうか?
メニュー表作りの参考にして頂ければ幸いです。
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