飲食店ドラマ「酔っ払うと怒る客」の厄介なトラブル劇。口論、ケンカ、その心理とは。

居酒屋やバーでの1人飲みで出会いは期待できるか?経営者が語る現実 料理人の茶話

私たち飲食店経営者・従事者にとって非常に迷惑なのが、店内での罵声やケンカ。
数ある迷惑行為の中で発生率は低めではありますが、迷惑度はぶっちぎりの最高レベルに値します。

怒りに身を任せて暴言暴力で相手に知らしめようとする、
でも結局自分の首を絞めて終わる、
今回はそんなお客様の奇行とも言えるトラブル劇と、その心理に迫ったお話です。

集客の妨げにもなり得るウザい常連客とは?常連客同士

怒りに身を任せたお客様。奇行の一部始終。

楽しく飲んでいたお客様。次第に…

若い男性のお客様A也さん。
お酒を飲むとよくイライラしてくるタイプの人で、他のお店でも時々、ケンカなどのトラブルを起こしていました。

この日もA也さんは友人3人と、うちのお店でお酒と食事を楽しんでいました。

最初は気分良さそうに談笑していましたが、A也さん、次第に何かに対して「むかつく」「なんなのアイツ」など雲行きの怪しい言葉がポロ、ポロっと出てきます。
お酒が進むにつれ、とある先輩への不満が話題に出てきているようです。日頃からA也さんとは折り合いの悪い先輩で、この先輩がこれから起こるトラブルのターゲットとなります。

不穏な空気感にこちらも話題を変えようとしますが、こういう人って、ボリュームの上げ下げは多少効くものの、一度入ったスイッチはなかなかオフにはできないんです。

するとA也さん、「ちょっとタバコ買って来ます」とお店を出たんです。
顔つきも声色もふつう。タバコを買うべく近くの自販機に向かったものだと疑いもしなかったのですが…

ターゲットのいる飲食店に殴りこみ

そう、A也さん、タバコを買いに行ってくると言い1人で店を出て、ターゲットの先輩が今いると思われる同界隈のダーツバーに乗り込みに行ってしまったんです。

先輩を見つけたA也さんは、最初こそ声を荒げながら文句を言っていたものの、すぐに乱闘へと発展してしまいます。
スタッフが止めに入るものの、広くない店内での二人のもみ合いに、周辺のものが散乱したり破損したり…

かけつけた警察官に「助けてくれ」

しかしすぐに警察官が来たんです。
するとA也さん、なんと警察官に対し「痛い、助けてくれ」と顔をおさえながら泣きわめき、「先輩から暴力を受けた」のだと自身を被害者のように訴えていたそうです。
実はもみ合っていた最中にA也さんは、倒れたイスの足に顔をぶつけ、のちに目の下を骨折していたことがわかります。

後々、このときの状況を先輩側ビジョンで聞くと、
突然バーン!と現われて、
ギャー!と怒鳴り散らし、なになに?と困惑しているうちに
ドーン!と押し倒され、数分後には
ワー!と泣き出しているという、
何がなんだかわからず終始する「まるで1人コントだった」と振り返ります。

もう見事なまでの「輩(やから)」です。

実は乗り込む直前に自ら110番通報

警察官がずいぶんと早く来たことにも理由があって、
実はA也さん、ダーツバーに乗り込む直前に、並びの居酒屋にも立ち寄っていたんです。
先輩がここに来ていないかと大声を上げて、店から出ていくよう促した店主と軽くもみ合いになっていました。その時なんと、A也さん自ら「居酒屋の店主に殴られた」と110番をしていたんです。

お酒の力と怒りの相乗効果は、こういう奇行をも生んでしまうんですね。

もちろん、防犯カメラや事情聴取などから、A也さんが被害者になんてなり得るわけもなく…。

お約束の「覚えてない」

もう、この手の案件においてはお約束と言ってもいい常套句「覚えてない」…A也さんも翌日にはこれでした。
本当に覚えていないのか、恥ずかしさや後ろめたさからの嘘なのか、それは本人にしかわかりませんが。

しかしダーツバーの防犯カメラに、事の一部始終が残っているので、覚えているか否かは大して重要ではないんですけどね。

骨折の治療、仕事は当面休み、店には出入り禁止

その後どうなったかと言うと、
先輩やダーツバーは、ケガや被害が小さかったため被害届を出さず、A也さんは警察にお世話になることはありませんでした。しかし顔に大きなケガを負ったため手術と治療に時間がかかり、仕事は接客業務を含むために当面休まなければいけないことになり…。

そして、うちの店、立ち寄った居酒屋、ダーツバーとその姉妹店ではA也さんは出入り禁止に。
そもそもそれ以前にも他に何件か出入り禁止になってしまったお店があったため、それ以降この界隈にはあまり寄り付かなくなりました。

酔っ払って怒る人の心理とは?

実は私、この1~2年ほど前だったか、お酒を飲むと時々ケンカしてしまうと言うA也さんに、なんでそうなってしまうのか純粋に興味があり深堀ってみたことがあったんです。

A也さんいわく「普段はそこまで怒りが抑えられなくなることはない」とのこと。頭にくることはよくあるけど、本人なりに我慢ができるそうです。

でもお酒を飲むと、楽しく飲んでいても日頃我慢してきたことがいろいろと思い出されてきてしまうんですって。
そして「ひとこと言ってやろう」から「やっちまおう」になり、最後には「どうなってもいいや」みたいに攻撃的かつ自暴自棄のような感情ばかり溢れてくるのだとか。

そこにはA也さんなりの正義があって、好き勝手に振舞っている友達、モラルのない上司などに、「お前は間違っている」「周りは迷惑している」ということを知らしめるための正義の制裁行動なんですね。
しかしお酒によって脳の理性の領域がマヒしているため、自分の感情にしかフォーカスしていない。私流に言うとそれは、ただただ本能的に戦う「動物」の状態ということなんです。

居酒屋、バーの「迷惑に気付かない常連客」マウント、ナンパ、ケンカ、飲食店経営者の悩み。優位性


以前、酔っ払いのタイプ別の心理や対処法について書いた記事でも触れているのですが、酔っ払って怒る人って日頃のストレスの逃し方がうまくいっていない人が多いと思います。「嫌な酔っ払い」酔っ払いタイプ別、その心理と対処法。飲食店経営者が解説。

余談ですが、
私の経験上でも、酔っ払ってこれほどまでに怒る人って、意外にも普段は他人に対して礼儀正しかったり、周りを楽しませるよう振舞う人が多いように思うんです。A也さんもまたこのタイプでした。

自分が周囲のために尽くしているからこそ、小さな無秩序も看過できない、ストレスとして消化できない…そんなところではないでしょうか。

でもやっぱり、酔っ払った状態で正義を訴えても誰にも通じません。先ほど、本能的に戦う「動物」の状態と言いましたが、ここは人間の世界なので、戦いにも理性や知性が必要不可欠です。

過去に幾度かお酒に酔って怒る人に遭遇したことがありますけど、ほとんどの人が言葉も行動も支離滅裂です。どんなに正義や信念に突き動かされていようとも酔っていたら、ただ間抜けな人、荒唐無稽にしか映らないんですね。

A也さんもそこに気付いてくれたらな…と他人事ながらも切実に願うばかりです。



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