飲食店の営業活動を支えてくれるスタッフたち。
求人・スタッフ募集をかけて、見極めるのはたった1度の「面接」です。
よく動いて、気転がきいて、元気で、みんなと仲良くできる人…
こんな人材をその1度の面接で見抜けたらいいですよね。
応募してくる人たちの誰が良いスタッフになってくれるかは、実際に働いてみないと分からないという面が大きく占めますが、私の経験上、面接の段階でもある程度、選別できる目安があります。
応募者のどんなところを見たらいいか?どんな質問をしたらいいか?
長く続く人材を獲得するには?
今回は私が実際にやっている、そんな面接のポイント5つをご紹介します。
①辞退は気兼ねなくしてもらう、が大前提の面接
面接の際に私は「面接してみて自分に合わないなと思えば、気兼ねなく辞退して頂いて大丈夫ですよ」と伝えます。
面接って、応募者が受け身のようになることが多いじゃないですか。
店側は「さーて誰を選んでやろうかな?」
応募者は「どうか私をお願いします!」
みたいな。
それゆえ、面接担当に良く見られるために、店側の要件にあわせたポジティブな返答をします。
なので言い方は悪いですけど、面接の時の言葉って当てにならないことがあるんですよね。
そして、実際に会って話をしてみて相手を知るということは、応募者からしても全く同じことなので、
・こちらが採用の合否を決めるのと、
・応募者が応募継続か応募辞退か決めるのは、
同等なわけです。
どんなに同等と言えども、やっぱり辞退って気が引けるもんですよね…。
自分から立候補しといてやっぱやーめた!みたいな、ちょっとした無責任感とでも言いましょうか。
なので最初から、応募継続か応募辞退の選択権がありますよーって設定しておくと、応募者はその2つの選択肢で考えてくれるわけです。
そうすると例えば、応募者が「面接してみたらなんかこのお店、雰囲気がイマイチだったな」などと、モヤモヤしたまま採用になって、とりあえず働いてはみたものの結局すぐ辞めてしまうことに…なんてことも減るし、こちらも本当に希望してくれる応募者に絞って効率よく選考できるわけです。
で、応募者には面接後の流れをあらかじめ伝えておきます。
①もし辞退の場合は2日以内に電話かメールで連絡を
②辞退の連絡が無ければ○日までにこちらから採用の電話をする
③電話が行かなければご縁が無かったということで(不採用でも連絡が欲しい方には電話する)
これはあくまで私のタイムスケジュールですが、ざっとこんな感じです。

次に、私が必ず聞く質問を2つ(おまけ1つ)を紹介します。
②質問「体力には自信がありますか?」
「体力に自身ありますか?」
やっぱりここに自信がない人は採用できません。
ほとんどの人は「はい」って答えます。
応募者は、基本立ち仕事という認識くらいはだいたい持って面接に来られますから。
問題は、応募者が想像している立ち仕事と実際の現場が異なってしまうと、「すぐ辞める」に繋がりやすくなるということ。
なので私は質問のあとに、
「特にピーク時はずっと動き回っています。体と頭の回転が重要になってくるので、日常的に睡眠不足だったり、風邪をひきやすかったり、女性だと生理痛が大変な方がいますけど、仕事がつらくなったり事故にもつながり兼ねないですからある程度の体力は必要になってきます」
のようなことを付け加えます。
ここで、実際の仕事内容を丁寧に伝えるといいですね。
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③質問「複数の作業を並行してできますか?」
「複数の作業を並行してできますか?」
飲食店での仕事って、なんだかんだ複数の作業を並行してやる「マルチタスク」なタイプじゃないとちょっと難しいんですよね。高度でなくても良いけど、周囲を見ながら手元の作業が円滑にこなせるくらいのタスクくらいは欲しいところです。
これも多くの人は「はい」とか「大丈夫だと思います」と言います。
そこに続けて、
「調理、オーダー、セッティング、バッシング、他のスタッフとのやり取り、細かな複数の作業を同時進行でやる場面がどうしてもあるので、周囲の動きを察知しながら自分が動く必要がある」
ということを伝えます。

…で、
前述含むこの2つの質問、だいたいの応募者は「はい」と答えると言いましたが、
「はい」と答えると分かっていることをなんでいちいち聞くのかと言いますと、
応募者は「はい」とは言ったものの、店側が求めてきているものをあとあと冷静に考えて、
「やっぱり自分のスキルだと不安かな」「なんか細かくてめんどくさそう」なんて違和感を感じるようであれば、辞退されるからです。
イエスかノーの返事が欲しいと言うよりは、確認という形で、そのスキルを望んでいますという強い条件表示をしている、ということです。

おまけの質問「料理をしますか?」「どんな料理が得意ですか?」
これは実際に私が必ずする質問なのですが、
うちのような「簡単な調理が伴うお仕事」の面接でしか意味を成さないので、おまけで追加しました。
「料理をしますか?」これにもだいたいの人が「はい」とか「たまに」と答えます。
その後、「どんな料理が得意ですか?」と聞きます。
大半は、
「普段は炒め物とか煮物とか…」
「シチューなど煮込み料理をよく作ります」など、わりと庶民的な料理を1つ2つ答えるのですが、
たまーにいるんですよ。
「ビスク」「コンフィ」「パイ包みミートローフ」「クリスマスにはシュトーレン」など、上級者風の料理、難しめな料理名をあれもこれもと出してくる人。
料理の腕前アピールなのでしょうが、そこに料理上級者のプライドを感じる人はちょっと警戒します。
なぜかと言うと、実際、採用となって働き始めるとどうも、
「私の料理の腕前は知っているはずなのに、なんで地味な下ごしらえや簡単な調理ばっかなのか」と不満を感じてしまうみたいなんですよ(実際のスタッフ過去談)
誰でもできる小間使い、みたいな。
なので、腕前アピールが不採用に直結することはありませんが「うちではこういう下処理、こういう地味な作業が多いですよ」と、細かく説明しておきます。

④見るところ「愛想」
愛想というと「笑顔」のように感じますが、というよりは、顔に動きがあるかどうかを見ます。
私は面接のとき、ラフな会話を差し込むのですが、目の周りや口角など顔の筋肉が動くといいですね。
もちろん、笑顔が出ればそれに越したことはないんですけど、なんかどうも面接では、あんまり笑顔だとバカそうとか不真面目っぽく見られると思って笑顔を控えめに心がける人がいるみたいなんですよね。
そして、面接という場に緊張する人もいますが、緊張している表情と、反応の薄い表情は全然違います。
なので、顔の筋肉に動きがあるかどうかを見ます。
どうしてかというと、
表情に柔軟さや、はつらつさなど、対面や会話に対して人間らしい反応が表情に出たほうが、お客様への印象も良いですし、他のスタッフとの円滑なコミュニケーションにおいても重要です。
なんてったって、人間のストレスの原因のほとんどは人間関係によるものですからね。
飲食店の接客に大切なこと。理にかなった笑顔の魔法。接客態度で味まで悪く感じるお客様の心理を知る。
⑤見るところ「何か長く続けていること」
履歴書の中で参考材料にするのは
やはり「職歴」です。
1つは、飲食店で働いた経歴があるかどうか。
経験があってまた飲食店勤務を望むということは、自分に合っているから…でしょうから。
2つ目は、転職回数が多かったり、勤務期間が短いものがどれくらいあるか。
あれば一応そこに触れてみますが、「実は私、長続きしない性格なんです」なんてまず言わないでしょう。身体や家庭の事情などでと説明してくると思います。
そして、社会人になってから間もない若者、結婚や出産などのブランクがある人など、職歴の少ない人もいますよね。
なので私はラフな会話の中でよく、趣味などの話に向けつつ “ 何か長く続けている(続けていた)もの ” を聞くことがあるんですよ。
「この数年は週1で英会話に通っている」
「中高6年間は同じ部活をやっていた」
「毎朝10分ほどのストレッチが日課」
「結婚してからずっとベランダ菜園をやっている」
など、多くの人がいつか飽きてしまったり挫折する可能性のあるものを長く続けている人は、集中力、継続力、誠実性の目安の一つになります。
ひとつポイントとしては、「何かを長く続けた事はありますか?」と単刀直入に聞かないことです。
そんなこと聞かれた面接者は、何か続けたものがあったほうが好印象になると察し、ちょっと思い当たるものを誇張して言い兼ねませんから。
あくまで、趣味や部活の話しになったところで「へぇ、どのくらいやっているんですか?」などとさりげなく…。

いかがでしたでしょうか?
ドラマや映画で見るレストランやカフェのように、オシャレ、カッコよさ、可愛さをイメージして飲食店の求人、募集に来られる人もいます。
でも実際に働いてみたら、肉体労働、汗まみれ、やることが多い、毎日地味で同じ作業…なんて現実にすぐ辞めてしまったというのもちっとも珍しい話ではありませんから、業務の現状を知った上で、それでもやる気があるかどうか、これを面接の基盤としています。
お店それぞれの営業形態や特色があると思いますので、少しでも参考になれば幸いです。
また、飲食店スタッフたちがよく持つ不満をまとめた記事も書いています。こちらもよかったら参考になさってください。
スタッフが店側に持つよくある不満。パート、バイトなど、飲食店従業員の離職率の高い理由。
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