前回、
「この店なんかイラッとする」お客様が飲食店に抱く不満あるある。接客、集客対策にて、
お客様が飲食店に対してイラッとする代表的な不満あるあるをお話しました。
今回はその逆、飲食店側の視点で綴っていこうと思います。
あえて注意をするほどではないんだけど、手間や時間をくったり、対応に戸惑ったり、他のお客様の迷惑にもなり兼ねない、でも日常的によく起こる「ちょっと困ったお客様あるある」
店側ができる対応も踏まえつつ紹介していきます。
忙しい時の横入り注文
混み合っているときは、間違いなくスタッフは手一杯。
お客様をお待たせしてしまうことは重々申し訳なく思いつつも、お客様のオーダーを取ってる時に、別の席のお客様から「こっちコーヒー2つね!」と言われたり、料理を運んでる最中に、他のお客様に呼び止められたり話しかけたりされるとかなり混乱します。
できる範囲で対応するものの、注文ミスや配膳ミスも起こりやすくなってしまいます。
スタッフのタスクにもよりますが、基本的には「今お伺いします」と一旦お待ち頂き、お客様ごとにきっちり区切って対応することを心がけたほうが最終的にはミスが減ります。

オーダー係りを呼んでから、注文を考える
オーダー係りを呼んでから、注文をあれこれ選ぶお客様って結構いるんですよね。
最近はタッチパネルオーダーのお店も増えてきましたが、まだまだよくあるのがコレです。
「注文いいですか?」と呼ばれて行くと、
「日替わりパスタ2つと…」とメニュー表を見ながら、
「うーん、あと何にする?」
「なんかサラダ系頼まない?」
「これ美味しそう!チーズ食べれる?」
と相談が始まるんです。
特に混雑時は、これに割かれる時間のロスはちょっと痛いので、「決まってから呼んでくれ…」と正直思います。
あんまり長考に入るようなら「ごゆっくりお選び頂いて大丈夫ですよ!またお呼び頂ければすぐにお伺いしますので」と言えば、そうしてくれるか、サッと決めてくれるか、どっちかにだいたいしてくれます。
ポイントはお客様の選び迷う気持をまず尊重すること。先にそれを伝えて、こちらはそのタイミングに合わせますよという姿勢を見せると、お客様も受け入れやすくなります。
また、補足ですが、料理についての質問と説明のやりとりあるじゃないですか。
でも、頼むか頼まないか結論に至らず自然と話が流れたはずが、お客様のほうは注文したと思っている…というパターンがあるんです。
うちも昔、これよくあったんですよ。例えばこんな感じです。
客1「ここのラーメンの麺ってちぢれ麺?」
店 「うちはストレートですよ」
客1「スープは?」
店 「鶏がらのしょうゆです」
客1「俺、飲んだときはその組み合わせがいいんだよ!こないだ他の店でラーメン頼んだら太ちぢれ麺でさぁ」
お連れ様「どこのラーメン屋?」
客1「ラーメン屋じゃなくて小料理屋みたいな…」
と、ラーメンの話で盛り上がって、しばらくして「さっき頼んだラーメンまだ?」と。
ご注文商品の復唱確認だけではあんまり聞いてないお客様もいるので、うちの場合「先ほどのラーメンはどうされますか?」など、あえて話を戻して確認しています。
くどいようでも注文ミスになるよりはいいので。
他のお客様やグループに声をかける、絡む
他のお客様やグループに声をかけるお客様、ノリで合流する別グループ同士、特にお酒の席ではよくあるシチュエーションですね。
両者が本当に楽しんでくれているなら店側としても嬉しいことなのですが…
私、これについては度々書いていますが、必ずしもみんな楽しんでるとは限らず、本当はめんどくせーなと思いつつも雰囲気への配慮で、話しを合わせたり愛想笑いしたりしているお客様も少なくないんです。
居酒屋やバーでの1人飲みで、出会いって期待できる?現場を見てきた飲食店経営者が現実をお話します。

また、「こっち来て一緒に飲もうよ!」なんて合流となってしまうと、伝票の問題もあってこれまたちょっとややこしいんです。
トラブルになったり、お客様のリピート欲の障害となる可能性も高く秘めているため、歓迎できるアクションではないんですよね。
店側が介入しにくい面をもつ問題ではありますが、相手のお客様が迷惑がっていないか、そこにどれだけ気付けるか、どうケアできるかが重要になってきます。
こちらの記事では対応策にも詳しく触れています。よろしかったご覧ください。
居酒屋、バーの「迷惑に気付かない常連客」「うざい常連客」マウント、ナンパなど、お店の悩み
お酒の強要
昔のような一気コールこそ見かけなったものの、体育会系のノリの人を中心に「飲め!」というお酒の強要はまだまだよく見かけます。
やっぱり、嘔吐してしまったり、潰れて動けなくなってしまうお客様、結構いますからね。店側としてはおっかないんですよ。
しかし、なんでそこまで人に飲ませたいのやら…
飲めない飲めないって拒んでるのに、また、見るからに酩酊状態にあったりするのに、「ウイスキーダブルで持ってきて!」とか「こいつのウーロンハイだけもっと濃くして!」とお連れ様がうひゃひゃと面白がって注文してくる…
こちらは本当に笑えないもんです。心から、自分のペースで飲んでもらいたいと思うのです。
また、オーダーの際、
客1「コイツにもっと濃い酒持ってきて!」
客2「いや要らない要らない!」
客1「いーから持ってきて!」
客2「本当に持ってこなくていいから!」
という押し問答、というかジャレ合い?も、よくありますがこれもなかなか困ります。
どっちじゃい!みたいな。
これも「では、決まったら呼んで下さいね!すぐに来ますので!」と言って一旦離れたほうがいいですね。
また、「お酒の強要、一気はご遠慮ください」という貼り紙を貼ってあるお店もありますね。悪ノリの抑止にはある程度有効だと思います。
テーブル、床、トイレを汚す
テーブルや床を汚す、トイレを汚す…
いや、店側も多少の食べこぼし飲みこぼしは覚悟しています。
しかし中には、ドリンクやサラダなどが床にこぼれたまま足で拡散されていたり、グラスに紙ナプキンやティッシュが突っ込まれてたり、お菓子などのパッケージごみ、紙ごみなどお店に関係ないゴミをテーブルに置いてったり、大量の食べ残し、食べこぼしなど…
なぜこうなる?と思うほど汚れていることもあるわけです。
バッシングや掃除に余計に時間をとられますから、やっぱり勘弁してほしいものです。
これはお客様のモラルに委ねるしかありませんが、空いたお皿などまめに下げに行くと物理的にも心理的にも予防が期待できます。
トイレも汚されると本当につらいですね。立ちションの飛び散り、嘔吐物…
スタッフのほとんどは厨房に入る身なので、この掃除にはかなり神経質になります。
これもやはり、特にお酒の提供がメインのお店にとっては、どこでも悩みのタネだと思います。
飛び散りの対策方法としては、
前話、お客様は飲食店のこんなところにイラッとします。飲食店の経営、集客・接客の対策に!でもご紹介しているので、よかったらご覧ください。

どうでしたか?
飲食店が地味に困るお客様あるある。
レストラン、居酒屋、バー、カフェなどのスタッフみなさんが、混雑時や忙しいときパニックにならないよう、スムーズな作業ができるよう、接客や集客の対策にも参考にして頂ければ幸いです。
こんな記事も書いています。
悪用厳禁!「お客様を操る」飲食店経営における「ナッジ理論」の活用法

