お客様の心理を攻略!『快感の会話』で好印象を獲得しよう!心を掴む集客接客方法を飲食店経営者が解説

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今回は接客でのコミュニケーション会話術のお話です。

飲食店に立つ私はたくさんのお客様とコミュニケーションを図りますが、今回紹介する会話術は、ほとんどのお客様の気分を良くする事ができると確信しています。

ご新規様など関係性が発展途上の相手に好印象をもってもうらうため、また、気心知れた相手や人間関係の構築にも使えるスキルですので、ぜひ参考にしてみてください。

まず会話に対するお客様の心理を解説してから、それを踏まえた具体的な会話術を紹介していきます。

お客様はとにかく自分の話が好き

接客をしていると本当によくわかります。
お客様は自分の話ばかりする人がほとんどです。
いや、そもそも人間が、自分が話しているとき気持良くなるようにできているんです。

自分の話をしているほうがラクっていう側面も、コミュニケーションにおいてはあると思います。
だってラフに楽しみたくて飲食しに来ているのに、誰かの話の情景を把握したり気持ちを汲み取ったり、会話の駆け引きなど、頭使いたくないじゃないですか。
お客様はみんな自分が主役ですから。

ちなみに “自分の話” とは、自分が発する話し全般なので、友達のエピソード、テレビで見た情報なども含まれます。
ようするに “とにかく自分が喋りたい” ということです。


例えば、お客様同志のよくある会話の流れを再現するとこんな具合です。

客A「俺、目玉焼きにはソースなんだ」
客B「あー私は絶対しょうゆ!半熟卵にしょうゆが好き!」
客A「ずっとソースなんてと思ってたけど1回試したらハマっちゃって」
客B「私そもそもソースをあんまり使わないからなぁ」

どうでしょう。会話は成立しているように見えて、実はお互いに自分の話をしてるだけですよね。

もうちょっと紹介すると、
客A「私の上司、仕事しないのに成績ばっか文句言ってきて…」
客B「うちにもそういうヤツいる!それでこないだ新人が辞めちゃってさ…」
客C「僕は上司だろうとはっきり言い返しますね」

本当によく遭遇する会話の流れです。

実際には「なんで?」「どうなったの?」などの相づちくらいは入ったりするでしょう。
しかし何かしらのキーワードによって脳内に想起されたエピソードや思いをただただ発散して気持ちよくなりたい、これが口を開くきっかけとなるのです。

お客様は他人の話に大して興味はない

飲食店接客業の会話術。お客様が好む会話を飲食店経営者の経験からお話します。

そもそも人間は一番興味があるのは『自分』と言われています。

前述の会話のやりとりを見ても、他人の発言にさほど興味をもたない感じが表れていますよね。
言い方を変えると、“自分が話したい欲” のほうが勝つ ということでもあります。

ようするにみんなが一方通行、でも会話は成立している雰囲気…という現象が起きているんです。

もちろん人の話に興味を持つ場合もあります。でもそれは、
・心から笑える話、得する話、趣味や興味など自分にとって有益な話
・ビジネス相手や好意ある相手など良い関係になりたいと思う人の話
に限る、と言ってもいいですね。
ようするにそれも『自分のため』です。

私も昔は、会話を途切れさせないように自分の話をよくしたりしていました。
しかしこの現象に気付いてからは「とくに求められてもいないことをしてたんだな」という事にも気付かされたわけです。


さてここまで解説したお客様の会話の性質、
・自分の話が好き(ラク)
・他人の話にはさほど興味ない

この性質を踏まえて、次項よりお客様の気分を良くする会話術を解説していきます。

お客様の話をちょっと深堀る、ちょっと広げる、が基本

お客様に気分良くなってもらう会話術としては、お客様の話題をちょっと深堀る、ちょっと広げる、がまず基本になってきます。

褒めたり、共感や同意を示すほうがお客様の気分良くさせるだろうと思われがちなのですが、それについては次項でお話しするとして、とにかく基本は話題を深堀る、広げるなどの “やり取り” に徹することです。
ちなみに褒め言葉などは、その基本があってさらに会話を潤すためのエッセンスと考えましょう。

例えば、先ほどの目玉焼きエピソードを深堀ったり広げたりするならこうです。
「へぇ!ソースにハマる前は何をかけてたんですか?」
「自分で目玉焼き作ったりするんですか?」

上司のエピソードの場合なら、
「上司は年配の人?その上司より上の人っているんですか?」
「ノルマって結構厳しいんですか?」

のように、素朴な質問などでいいんです。

「へー」とか「ふーん」で終わってしまうような会話でも、ひとつ掘り下げてみると、またお客様がそこに乗ってきますし、会話が広がっていくものです。

あくまでお客様の話題にレスポンス(応答、反応)を見せることが重要なので、持ち上げることがメインではないんです。

あなたの会話に興味があります!その話もっと教えて!という反応を見せることが、相手の承認欲求を満たすんですよ。

ここで間違ってはいけないのは “いろいろ質問する” とはちがうということ。
あんまりゴリゴリ質問ばっかりしちゃうとまるで尋問や質疑応答のような、業務的ニュアンスに取られてしまう可能性があります。

この基本があって、次に『褒める』というエッセンスをお話していきます。

ほめ言葉の『さしすせそ』を活用しつつ褒めすぎない

飲食店の集客方法SNS お店でお酒を楽しく飲むお客様

接客業界ではあえて言うまでもない、ほめ言葉の『さしすせそ』
まさにこれは人の優越感を刺激する言葉ですね。
さ=さすが!
し=知らなかった!
す=すごい!(ステキ!)
せ=センスいい!
そ=そうなんだー!(そういうことか!)

まぁしかし誰が考えたんでしょうね。本当によくまとめられています。
世の中では男性を喜ばせる言葉として注目されがちですが、女性だって言われて悪い気はしません。

だだし、ここでも注意するべきは、さしすせその乱用、賞賛しまくりは逆効果ということ。

ちなみに私は、このさしすせそにはありませんが「なるほどねー!」のヘビーユーザーです。
時々、我に返るまで乱用状態になったりするのが反省点でもありますが、“あなたの話、ためになりました” を伝えることができる良い言葉だと思います。

ですがやはり乱用してしまうと営業トーク感、お世辞感が丸見えになって、逆に冷めてしまうので気をつけたいところですね。

前述の、会話を深堀るという基本のやり取りがあってこそ、大きく活きてくるのがこの褒め言葉だと思います。

ちなみに褒め言葉に関しては、もっと強力な裏技を紹介した記事も書いています。よろしかったらそちらもご覧ください→好感度爆上がりの誉め方!さしすせそよりも強力な3つの心理的法則

自分の話はできるだけ短く、そして必ずお客様に戻す

さて、ここまで見ると『一にお客様の話、二にお客様の話』という感じになっていますけど、ここでちょっと補足しておくと、接客する側は自分の話をしないほうがいい、ということではないんですよ。
お客様から “なんかこの人、自分のこと隠してる?” と感じとられてしまってはコミュニケーションが成り立ちません。
ですので、要所要所で自分の話を盛り込みましょう。“自分を見せる” ことも親近感に繋がります。

そして、その時に絶対に守りたいルールが2つあります。

長々と話さずできるだけ手短・完結に
話を必ずお客様に戻す

ということです。

「私もこうこうこんなことがあったんですけどその時は困りましたよ。○○様はどう対処されたんですか?」ってな具合に。

そして、もう一つポイントとしておすすめするのは、
お客様との共通点があった場合はむしろ声を大にして言うといい、ということです。

出身地、年齢、誕生月、趣味、血液型、持ち物、ペット、バツイチなどの離婚歴、子供の年齢、学生の頃やってたスポーツ、
もっと言えば、朝ごはん食べない派、洋服は黒系ばっかり、虫は苦手、好きなTV番組、ルーティンなど小さなことでもいいです。
私もです!同じだ!一緒ですね!の言葉は、意外にも心理的な距離感を縮めてくれるんですよ。

まぁしかし、これも乱用するとだいぶキモいですからね。
何事も良い塩梅が必要です。

お客様の話が受け入れ難い内容のとき

中には、偏った思想や差別、本当か疑わしい話、人の悪口など、どうしても深堀りしにくい話、むしろズバッと斬ってしまいたい話もありますよね。
“客じゃなかったらボロくそに言ってやんのに!” 的な。

そんな時は無理して深堀らなくていいんです。そんなにバカにならなくていいんじゃないかと個人的に強く思っています。



受け入れがたい会話の場合、 ちょっとコツがあります。

ひとまず話を最後まで聞いて、一度しっかり肯定してから、疑問・質問という形で異論を投げかける、ということ。

例えば、お客様の話が、
「この政党はあそこがダメ、ここが悪い」という批判ばかりの場合、
「さすが政治に詳しいですね。でも賛否両論あるってことはそれだけ難しい問題ってことなんでしょうね?」という感じです。
(政党、宗教、人種の話は、他のお客様の中にその対象者または支持者がいるかもしれないので、アンチはちょっと厄介ですよね…)

他のパターンもあげると、
「あの大物芸能人、薬物疑惑で今、警察が動いてるらしいよ」
「えーショック!でも動いてることがこんな場所までバレてるなんて警察も大丈夫なんでしょうか?」
(裏情報をやたら披露する。一般人が知り得ないネタを持っているという特別的存在のアピールする人、いますよね…)


「どこどこのホテルはヤバイ霊がいる。何度も金縛りにあって参ったよ」
「それは大変でしたね。金縛りって疲れてても起こるって聞いた事があるんですけど、最近体調はどうですか?」
(時々遭遇する自称霊感の強い人。仮に本当に何か見えてても黙っていて欲しいもんです…)

世の中いろんな考えの人がいるもんで、どんな話題であろと、それも一つの意見、それも一つの情報、それも一つのエピソード、として一旦ちゃんと受け止めてから「でも、そこはどうなんでしょう?」と、素朴な質問のように投げかけるんです。

真っ向から否定をしちゃいけないわけではないんですけど、接客としてお客様を不快にさせたくないなら、やはり遠まわし、オブラートに包むのが得策と言えます。

同じような人ばかりとの会話は発展性がない。日頃からいろんな人と会話をしよう!

とにかく、お客様以外にも日頃からいろんな人の話を引き出すようにしてみましょう。

同じような人たちとの会話は同じような内容に偏るため発展性がなく、会話を引き出そうともしなくなっていきます。

ここで、ビートたけしさんの言葉を紹介します。

「料理人に会ったら料理のこと、運転手に会ったら車のこと、坊さんに会ったらあの世のことでも何でも、知ったかぶりせずに素直な気持ちで聞いてみたらいい
自慢話なんかしているより、ずっと世界が広がるし、何より場が楽しくなる
たとえ知っていたとしても一応ちゃんと聞くのだ。
そうすれば専門家というものは、きっとこちらの知らないことまで話してくれる
井戸を掘っても、誘い水をしないと水が湧いてこないように、人との会話にも誘い水が必要なのだ

さすがプロのエンターテイナーの言葉です。
彼は、人との他愛ないコミュニケーションの中で受けたインスピレーションを、自身の世界的作品に多分に盛り込んでいることも公言していますから、実践としても有効であることは明白ですね。

自分の頭の中の話をする『アウトプット』より、人の知識を吸収する『インプット』のほうが当然財産が増えるわけです。
その財産はまた他所でのコミュニケーションにも活かされますし、時に思いがけない有益な情報にも出会えます。
そして、相手も気分良くなれるのだからまさにWIN-WINですよね。

飲食店経営者にある「お客様の立場になって考える」の間違い。集客方法のヒントは自分の目の位置。イメージしよう。


接客の会話。
なかなか簡単なことではないと思いますが、お客様の会話の性質、そして誘い水のコツがなんとなくでもわかってくると、よりやりやすくなると思います。

私もまだまだ会話の達人には程遠いですけれども、また気づきがあれば書いていこうと思います。

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