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よく人に嫌われるお客さんの話『人から嫌われる一番の理由』を飲食店経営者が説く

居酒屋やバーでの1人飲みで出会いは期待できるか?経営者が語る現実 飲食店ドラマ

「もしかしたら自分はあの人に嫌われているのかも…」
なんて思ったことはありませんか?

誰だって少なからず自分が周囲からどう思われているのか気になるものです。

今回は、私が経営する飲食店の、なんだか人からよく嫌われるお客様Aさん(男性)の話を織り交ぜて、人が人から嫌われる理由についてお話していきたいと思います。

そのお客さんはなぜよく嫌われるのか?

Aさんはどちらかと言えば静かにお酒を飲むタイプ。
お酒を飲んで楽しくなってくるとそれなりにお喋りをしますが、陽気になったり調子に乗ったりなどは全くしない、おとなしめの人です。

そのAさんがある日、私に吐露してきた話です。

「俺、この近所の居酒屋の女将さんにどうも嫌われてるみたいで…」

穏やかじゃないですね。続きます。

「先日スーパーで女将さんを見かけたんだよ。目が合ったから挨拶しに近づいてったら、プイっと逃げちゃって」
「その居酒屋にはよく差し入れをしていたから、女将さんに好意があるとか警戒されちゃったのかも」
と。

Aさんは以降、その居酒屋には行っていないのだとか。

また、他にも、

「ここの常連のBさんいるでしょ。前にカウンター席で隣になって仲良くなったんだけど、こないだ会った時よそよそしくされたんだよね。俺、酔ってたから何か気に障ること言ったかな」と。

私は常連Bさんから何も聞いていませんし、他からもAさんの悪い評判など耳にしたことがなかったので「気のせいでは」となだめたのですが、Aさんは「(事実を)知ってても俺には言いにくいよな笑」と、とにかくマイナスの言葉ばかり出てくるのです。

そんな対人の悩みをひとしきり漏らしたあと、Aさんはうちのお店にも来なくなってしまいました。
風の便りでは他のお店には出没しているそうなのでお元気ではいらっしゃるようです。


そして、やがてその答え合わせがされるときがやってきます。

プイっと逃げて行ったとされる近所の居酒屋さんの女将さんは「Aさんとスーパーで会ったことなんてないわよ」

よそよそしくしたとされる常連Bさんも「そういえばあの日は何件もはしごして、飲みすぎて記憶がなくてね」

そうなんです。Aさんが嫌われている理由はAさんがそう思い込んでいる可能性が極めて高いということです。


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嫌われる以前に、自分が思うほど人は自分のことを気にしていない

実は、自分が思うほどみんなは自分を気にかけていないのです。

「あの人に嫌われてるかも」と思ってもだいたいは思い過ごしだったりするということです。

私も時々あります。
仕事上、いろんな人とのお付き合いがありますが「この人なんだか距離があるな」と感じても、次の機会には親しげだったりして。

ところがAさんのように人の目をよく気にする人は、人に対してネガティブな思考も持ち合わせています

「笑ってくれてたけど仕方なく笑ってたのかも」
「あの人なんだか機嫌悪そうだけど私なんかしたかな」
などと、相手の真意を見出そうとしたり、

「冗談を言ったつもりが通じていなかったのかも」
「自分のあの振る舞いが勘違いさせてしまったかも」
などと、相手の不穏な様子の原因は「自分がこうしたからではないか」と関連付けたがる面もあります。

そして、一度そう思い込んでしまうと、自分がそれ以上傷付かないように相手を避けたり壁を作ったりするので、事実がどうなのか確認することもなく置かれたままになります。

こうして『自分が嫌われている』ということを『自分の中で確立』してしまっているケースが意外と多いのです。

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嫌われてるかも…な心配事は思い込みがほとんど

実は心配事のほとんどは起こらないと言われています。

これについて真面目に研究している機関もあって、米ペンシルベニア大学やミシガン大学では人の心配が現実化する確率は10%以下だという研究結果も出しています。

ただ、心配をするなと言っているわけではありません。
心配や不安は備えなどの対策に繋がりますので、むしろ生きるために必要な感情なのです。


また、271の法則というものもあります。
簡単に説明すると、あなたの周りに10人いたら、2人は気の合う人、7人はどちらでもない人、1人は気が合わない人、という心理学者カール・ロジャースが唱えた人間関係の法則です。

みんなが自分を気に入ってくれるわけでもないし、みんなが自分を嫌うわけでもない。
なにより、大半の人は自分のことをどうとも思っていないのに、周りの人が自分のことを好きなのか嫌いなのかを気にしすぎるのは、取り越し苦労と言うわけです。
はたまた強迫観念とも言えるかもしれません。



ただ、本当に嫌われやすいという人も確かに存在します

個性が強かったり、偏った思考、秩序を乱す振る舞いをする人などは、受け入れてくれる人がどうしても少なく、嫌悪感を示す人が増えるでしょう。

『人の目を気にする人』というのは『人と一緒にいたい人』でもあるので、時には自分の振舞いが相手にどんな思いをもたらすか、考えてみるのも良いでしょう。


ちなみにコミュニケーションについて他にも記事を書いていますので、興味がありましたらそちらも参考になさってみてください。
飲み屋で嫌われるコミュニケーション会話『相手に頭を使わせる人』の失敗3選。一人飲み、雰囲気下手



好印象を獲得するコミュニケーション会話法はこちら
お客様の心理を攻略!『快感の会話』で好印象を獲得しよう!心を掴む集客接客方法を飲食店経営者が解説


最後にこんな本を紹介します。
僧侶が知的な生き方を記したベストセラー本です。
日本人は比較的、不安傾向が強く、人の目を気にしやすい性質があります。
悪いことではないのですが、考えすぎてストレスを感じている方は、この本を試してみてはいかがでしょうか?

飲食店ドラマ
ワシヲ タカコ

筆者 ワシヲ タカコ
食生活アドバイザー 薬膳食育師 メンタルケア心理士
飲食店経営はじめ多種多様な食のお仕事をしています。
そのため更新は不定期、コメント欄もありませんがご質問等はお問い合わせよりお気軽にどうぞ。
ここでは顧客心理をベースに実践してきた接客・集客・経営ノウハウを現場目線で紹介しています。

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