飲食店経営者の皆さんは自身のお店について
『地域に根付いたお店にしたい』
『支店を出すなど店舗拡大していきたい』
『ビジネス展開していきたい』
というような経営展開のビジョンはお持ちですか?
今回は『自分に向いている経営展開を知ろう!』ということで、簡単な性格診断を用いて解説していこうと思います。
人間は根本的に、保守的な人か進歩的な人か、大きく2つのタイプに分かれます。
その性質と経営スタイルが合っていないと、疲弊したり失敗しやすくなります。
どちらの性質が良いか悪いかということではなく、どちらも生存戦略として先祖から遺伝子で受け継がれた性質ですので、それに合った生き方がその人にとって一番生き抜ける方法、ということになります。
ではさっそく、最初に正確診断して頂き、それぞれの特徴に合った経営展開を解説していきます。
正確診断
まず、あなたが『保守的な人』か『進歩的な人』かを知りましょう。
これから、テストA、テストB、それぞれ10問ずつ質問を挙げていきます。
当てはまるもののみ1点加算して、テストAとテストBのどちらが点数が高かったかで診断します。
ぜひ素直な気持ちで診断してみてください。
テストA
①大なり小なり、周囲の人が自分をどう思っているか気になる。
②馴染みの店や馴染みのグループなど、安心で気楽にできる環境が好き。
③旅行は事前に予約や観光先を調べてから行きたい。
④新規の案件や提案をされると、リスクやデメリットのほうをよく考える。
⑤友達は、地元や住まいや勤務地などの一地域に集中している。もしくは、よく会う仲良しグループがある。
⑥他人の振る舞いを気に食わなく思うことがよくある。もしくは、秩序やルールからはみだした人を嫌う。
⑦大なり小なり人見知り。
⑧外食では同じ店によく行ったり、同じような料理を選ぶことのほうが多い。
⑨信頼関係、人との繋がり、絆を重んじ、自分の仲間を大事にする。
⑩現状維持が安心。もしくは、前例や今までの流れを変えることを面倒や億劫に感じる。
テストB
①周囲の人が自分をどう思っているかは気にならない。
②未経験の場所や初対面のグループに飛び込むとき、緊張よりもわくわくする。
③知らない土地や行き当たりばったりの一人旅が楽しめる。
④新規の案件や提案をされると、まずメリットから考える。
⑤友人は少ない。もしくは、浅く広く点在している。
⑥気付かぬうちに人から嫌われていることがよくある。もしくは、変わった人などと言われることがある。
⑦趣味、思想、ジェンダー、人種、経済格差など自分と全くタイプの違う人とも楽しく接することができる。
⑧外食ではいつも違う店や料理やを選ぶことのほうが多い。
⑨同じグループにおさまっているのが苦手。もしくは、一人で気ままに行動するのが好き。
⑩今の環境を急に変えたくなることがある、もしくは、アイデアが沸くとすぐ行動したくなる。
どうでしたか?
テストAとテストB、どちらが点数が高かったでしょうか?
テストAは保守的な人の特徴、テストBは進歩的な人の特徴です。
おそらく、どちらかに偏る人が大半だと思いますが、必ずしもはっきり分かれるとも限りません。同点、もしくは1~2点差ほどの微妙な結果もあるでしょう。
そんな時は
「どっちの性質もあるんだな」
「保守的な性質の方が少し高いけど進歩的な性質も参考にしよう」
くらいの目安で見て頂ければと思います。
テストAの点数が高かった人は『保守的な経営者』
地域密着型の飲食店経営が向いています。
また、地域の農業や産業とタッグを組み地域活性化を手伝うような活動だったり、
近隣商業や住民と交流を育くみ、みんなで盛り上がりを高める営業も向いていると思います。
日本人は保守的な人が多いと言われています。
それは理解者や協力者も多いということなので、保守的な人がとても生きやすい国とも言えます。
保守的な人は、前例や実績のある方法、従来のルールなどを重んじます。
これはリスクを避けて効率良く物事を運びながら仲間と共存共栄していくためです。
また、人が困っていたら助けてあげたい、力になりたい、そして自分にも同等の施しを望む、
そんな相互フォローが良好な人間関係の土台となっています。
⑥の『人を気に食わなく思うことがよくある…』が意外なように見えますが、集団意識の強い人ほどむしろ必然です。
これは集団を守るための『はみだし者を検出する機能』のせいですね。
秩序の薄い人、タイプが違う人などは、集団の中を乱しかねないので、嫌悪感や警戒心が沸くようにできているのです。
このように保守的な人は、心と心、絆をつなぎ、周りの人から支持してもらえるような経営が適しているということになります。
ただ注意すべきは、どうしても自分と似たようなタイプの人と仲間になっていくため、交流の幅を狭めてしまう可能性があるということ。
新参者や他の集団に対して無駄に警戒や敵視したりもします。
ストレスやトラブルの原因もおおよそ人間関係です。
保守的な人は、人との関係性に感情や行動へ影響を受けやすく、それは経営をも揺るがしかねないので、自分の役割や目的は常に明確にしていきたいものですね。
こちらの記事では集団の性質について詳しく解説しています。よろしかったら参考になさってください。
お店の生存率を下げる怖い群集本能。飲食店経営を左右する“群れの絆”とは?飲食店集客方法
テストBの点数が高かった人は『進歩的な経営者』
飲食店のみならず、発展的な経営が向いていると言えます。
個性的な試み、関連事業の展開、さらには異業種にチャレンジするなど、すでに目論んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
発案能力や行動力が非常に高く、変化を好むので、毎日同じノルマだとうずうずしてしまいます。
とにかく進歩的な人というのは、新しいものへのチャレンジ精神が旺盛でエキセントリックな面もあります。
それが魅力的に見えることもあり、良くも悪くも目立つんです。
ただ、その突飛な振る舞いは、悪く言えばわがまま、ワンマン、協調性が低いという欠点ともなるゆえ、集団の中にいると嫌われやすい、という一面もあります。
とはいえ行動範囲が広域なので、一集団からの排除行為があったとしても、あまり気にならないかもしれませんね。
進歩的な人には社交スキルが高い人が多く、対人関係は円滑そうにも見えるのですが、人との心の繋がりよりも、新奇の経験や情報に触れることに魅力を感じており『人に対して少し冷たい』という印象を周りにもたれることもあります。
人と会うのは好き(または、躊躇ない)だけど、同じような集団では同じ情報に偏ることに飽きてしまい、あちこち股にかけるアクティブな行動となります。
顔は広いけど真の友達は限られている、という人が多いのはそのためでしょう。
浅く広い人脈は発展的なビジネスには大変有利です。
なによりこの進歩的な人の得なところは、他者からも『この人に情報をあげたい』と思ってもらえるというところです。
進歩的な人は自分に関係なさそうな件でもとりあえず「なになに?それ教えて!」と興味を示すスタンスなので、相手も「もっと教えてあげたい」と、教える快感を刺激されるのです。
すると、有益な情報をもらえたりコネクションを紹介してもらえたりもします。
これらの性質により、経験や幅広い情報を多く持っているので、これが発案力や行動力の源となっています。
このように進歩的な人は、いろんな事への好奇心と変化を好む性質を大いに活かすことができる、発展型の経営に適しているということになります。
ただしかし、手腕が肝となります。
成功すれば『異端児』『先駆者』のように言われ支持者も増えますが、
成果がなければただの『変わった人』『おかしな人』という辛辣な扱いになり、協力者もなかなかいないという厳しい現実もあります。
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潜在能力に合った生き方が一番生き抜きやすい
猿の群れをイメージするとわかりやすいと思います。
そもそも群れというのは脆弱な個体を守るためにあります。
猿の多くはこのような群れに所属しています。
群れでは協力したりいたわりあって群れを守り子孫を残していきます。
それと対照的に、はぐれ猿というのも少数存在します。
はぐれ猿は群れに属さないのでルールに縛られることもなく、言ってみれば気ままに行動できるのですが、一匹でいれば当然、生存率は低くなります。
しかし、群れでテリトリーに留まる猿たちより、まだ誰も見つけていない食料や水場、環境の良い住みかなどを発見する可能性も秘めています。
はぐれ猿(少数派)は変異的な個体だと思うかもしれませんが、同じタイプの個体だけでは種は滅びやすくなってしまうので、はぐれ猿が生まれるのは必然なのです。
仮に、群れの猿が群れから外れたらあっというまに命の危機にさらされるかもしれませんし、
逆に、はぐれ猿が群れに身を置いたとしても、群れの猿たちからいじめなどの排除行為を起こされる可能性があります。
潜在能力に合ったライフスタイルが一番生きやすいということですね。
人間もまた、同じなのです。
私がこの記事を書こうと思ったのは、ある知人経営者さんの経験を聞いたからなのです。
彼は小さな繁華街にイベントバーを開業しました。しかし常連さんや地域の付き合いに、なぜか心地の悪さを感じていたそうです。
彼は自分の職業を隠して、よくいろんな地域の酒場やイベントに一人で行っていました。
バー経営者だと言ってしまうと同業者同士の付き合いになりかねないからです。持ちつ持たれつの関係を錘(おもり)のように感じていたと言うのだから、面白いですよね。
そこで多方面の人たちと出会ううちに、自分はひとつの箱におさまるとストレスになる人間なのだと再認識し、イベントバーは別の人に大半を任せる形にして、現在は他所でのイベント企画やペンションの経営に携わっています。
そう、彼は進歩的なタイプの経営者だったということですね。
それゆえに、周囲の人と足並みを揃えることができず、協調性のない奔放な人だと周囲に思われてしまうことで、人間関係の構築に少々難があったようです。
しかし彼自身がはっきりと気付きを得たことで、彼に見合った環境で経営を発展させることができたわけです。
こんなふうに、自分の性質を知って、自分に合った経営展開を見出すお手伝いができれば幸いです。
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