先日、ダイエットの記事(こちら→リバウンドしにくい、ゆるい10キロ減量法!数あるダイエット方法の中でも効率が良く効果的!)をお読みくださった方からおもしろい疑問を頂きました。
「どうして茶色い食べ物にときめくのか?なぜあんなに美味しくて幸せになるのか?緑色のものにそうなってくれたらこんな体(スタイル)じゃなかったのに」と。
確かに。
グルメ番組などでも、例えば肉汁が溢れ出すハンバーグは「うわ!うっまそー!」とつい言葉が漏れるほど魅力的なビジュアルです。他にもチーズがとろ~りのピザ、ウニいくら大トロのツヤツヤお寿司なんかもそうですよね。
しかし茹でたてのブロッコリーがアップで映ることもあまりないし、なったとしても「うわ!うっまそー!」となる人は多くないと思います。
しかし、これら茶色い食べ物の共通点は、高カロリー&高脂質。
食べ過ぎると生活習慣病など病気のリスクを高めてしまいます。
そもそも野菜や海草、こんにゃくなどに、よだれが出るほどの魅力を感じられれば、カロリーも取りすぎず病気のリスクも軽減されるでしょうに。
今回は、なぜ人は茶色いものばかりにときめくのか?と、そんな止め処もない欲求をコントロールする方法を解説していきます。
ダイエットの敵『茶色い食べ物』になぜ人はときめくのか?
私たちの祖先とも呼べる人類の始まりは500~600万年くらい前と言われています。
あまりに長いその歴史の中で、人類は幾度となく飢餓に襲われ種族保存の危機に脅かされてきました。
食べなければ生き抜くことはできません。
そのため、人は食べることへの欲求は他の欲求に比べてもとりわけ強くなっているのです。
しかし、今は飽食(食べ物が満ち溢れている)時代です。
この飽食時代は、500~600万年の中で見れば0.01%にも満たないごくごく最近のこと。
人類の長い歴史では食料の獲得が不安定な時代がほとんどを占めているということです。
ゆえに私たちは、祖先たちのからの生存戦略を遺伝子で受け継いでいます。
食べることで言うなら、
『食べられるときに食べておけ』
『よりたくさんのエネルギーを蓄えよ』
『食べ物を無駄にするな(もったいないと思う気持ち)』
などと強い欲求として備えられているのです。
そして特にカロリー(エネルギー)の多い食べ物には、脳で報酬系のホルモン、主にドーパミンがよく分泌されるようになっています。
ドーパミンが出る…ようするに快感が得られるんですね。快感を得られるものは何度も求めるようになりますから。
このように、高カロリー傾向のある茶色の料理に脳が反応してしまうのは生きるために備わった機能であり当然のことなんです。ご飯や麺類、スイーツも同様ですね。
そう聞くとこのドーパミン、なんだか悪魔のようにも思えますが、ドーパミン自体は悪いものではないのです。ドーパミンには覚醒作用があり、やる気や集中力や記憶力、多幸感や満足感を高め、ポジティブな思考をもたらしてくれます。
ただ、ドーパミンの作用にも個人差があり “満足に至りにくい性質の人” というのが少なからずいて、もっと欲しい!また欲しい!と歯止めが利かないことがあります。
これが健康上、経済上、社会通念上などの止めるべき理由があるにも関わらず止められない、ということになると『依存』となります。食べ物に限らず、お酒やタバコ、ゲーム、ギャンブルなども同じですね。
余談ですが、この満足に至りにくい性質の人は、複数の対象に依存しやすいとも言われています。
例えば、肝臓を悪くしてもお酒を止めることができないという人が、他にもタバコやギャンブル、キャバクラやホストクラブ通い、SNSや買い物など何かしらに依存しているケースが多い、ということです。
話は戻りますが、今は飢餓とは真逆の飽食時代。
依存性のある食べ物も食べたいときに苦労なく手に入る時代です。
「食べたら太る…体に良くない…」と理解はしながらも
「今日だけ…少しだけ…そのうち止めれば大丈夫…」と抑制が効かずつい食べ続けてしまう、この巡るめく欲求をコントロールすることが、ダイエットを成功させたり健康的な人生を送るために重要となるのです。

人は欲求のコントロールができるのか?
欲求のコントロール自体は誰でも可能です。
なんならみんな毎日のようにしています。
怒りがこみ上げてきても堪えようとしたり言葉で解決しようとしたり、
遊びに行きたい、好きな人に会いたい、と思ってもちゃんと仕事に行ったり、
食後にパフェを食べたかったけど、同行者がコーヒーしか頼まなかったからそれに合わせた、など。
このように、ほとんどの人は倫理によって常に欲求をコントロールしながら生活をしているんです。
しかし、前述でお話した、強い快感によって引き起こされる欲求に対しては少々難が生じ、意識的にどう対処していくか、がダイエットには重要ポイントなんですよね。
では次項で、欲求をコントロールする方法をいくつかご紹介したいと思います。
ダイエットを成功させる欲求コントロール方法
代替食品と咀嚼
食欲においては代替食品を取り入れることは大変有効です。
■水をよく飲む。
1日2リットルが理想です。一気に飲むのではなくコップ1杯(約200ml)を10回に分けて飲むくらいのペースが良いですね。
水を飲むと空腹が一時的に紛れたり、食べすぎを防いでくれます。
■よく噛む
ガムやグミ、あたりめなどよく噛む食品は空腹を紛らわせてくれます。
いつもの食事をよく噛むよう心がけるのはもちろん、大豆ミートやこんにゃく製品、食事の最初にサラダをしっかり食べるなどしてみるのも良いです。
しかし、よく噛むというのは、その習慣のない人には非常にもどかしいんですよね。
でも咀嚼のメリットはたくさんあります。
食べ過ぎ防止、エネルギーの消費、消化の助け、ストレスの抑制(ストレスは欲求を増加させる可能性があります)、顔のリフトアップ、もっと言えば集中力や記憶力も高まることがわかっています。
ただよく噛むという行為でこれだけの嬉しい効果が得られると思ったらちょっとお得な感じがしませんか?
そしてなにより次に解説するセロトニンの分泌にも有効とされています。
良いことだらけですしそれがお金をかけずにできると思えば使わない手はないですよね。
ちなみに咀嚼は私の知り合いの歯医者さんもお勧めしています。笑
そして、食べた後は「美味しかったー!」「あーお腹いっぱい!」など、ポジティブな言葉をあえて声にするのも脳を騙すのに有効とされています。
セロトニンを出す
セロトニンというホルモン、ご存知の方も多いと思います。
俗に『幸せホルモン』なんて呼ばれたりもしますが、安心感や平常心をもたらし、心身を安定させてくれるホルモンです。
感情的な要素をコントロールする働きもあるので、ドーパミンによる暴走の制御に一役買います。
セロトニンを分泌させるにはいくつか方法があるので紹介します。
■咀嚼
リズム良く噛むことが良いとされています。
■日光浴
特に朝日がいいです。起床後まもなく外に出るなどして10~20分ほど朝日を浴びると良いとされています。
■有酸素運動
適度な運動はセロトニンが分泌が促進されることがわかっています。ハードな運動じゃなくても軽く息が切れたり汗ばむ程度に身体を動すのでも大丈夫です。
■スキンシップ
家族や好きな人とハグをしたり手を繋いだり、軽く触れ合うことでもセロトニンが出ることがわかっています。
■セロトニンの原料を積極的に摂取する
食事においては、アミノ酸のひとつであるトリプトファンがセロトニンの唯一の原料となるため積極的に摂ることが良いとされています。
トリプトファンが多い食品は赤身肉、乳製品、バナナ、ナッツ、大豆などですね。
おまけ『なりきり法』
最後にひとつ、私の知人が実際に成功させた少々ユニークな方法を紹介します。
ちょっと高度なテクニックかも知れませんが、プライドや意識が高めの人にはなかなか良い効果を見せるのではと思いましたのでおまけ的に紹介します。
持病を患いながらも美味しいものと毎日の飲酒がなかなか止められず、薬を飲みながら病状を凌いでいた知人。
ある時、動画を見ていると有名な某論破王さんが、ドーパミンに突き動かされてばかりな人のことを「それもう動物と同じです」と話していたのを見て、衝撃を受けたそうです。
それは論破王さんが怒りについて語っている中での発言だったそうですが、知人はその言葉に感化され、直後から食事の改善に取り組み、病状の軽減と4kgのダイエットに成功したのです。
なぜ知人は『動物と同じ』という言葉で意識改革が可能になったのでしょう。
具体的に説明するとこういうことです。
動物も人間も、快楽を得ることによって欲求を繰り返すのは同じです。
しかし動物は知能が低いため欲求に忠実に行動します。
食べたくなったら人の畑の作物も盗る、争いごとは格闘、発情期にはすぐ交尾し、なんなら健康や見た目も気にしませんし歯も磨きません。
一方、人間は高い知能を備えています。
それゆえ倫理によって欲求のコントロールが可能である唯一の生き物です。
食欲は調整ができるし、争いは対話が可能、ムラムラしても我慢できるし、健康や美意識もあります。
こうやって秩序を守りTPOに合わせた行動をとることで健全な社会を作っていけるのが人間です。
知人は、「自分は欲するままに行動する動物ではない。知能が高い人間だ」と意識を変えられたことで、欲求のコントロールが可能になった、ということです。
面白いことに食事の改善だけでなく、悪習慣だった “夜更かしスマホいじり” も激減したそうです。
実は、なりたい人になりきる『なりきり法』は意外と有効なんですよ。
こちらに詳しく書いた記事を紹介しますので興味がありましたら参考になさってください。
「私、変わりたい!」なりたい人物の真似をする成就法【不倫妻になりきった女の実話】

人が茶色い食べ物にときめいてしまう理由が遺伝子レベルであることにがっかりした方もいらっしゃるかもしれませんが、そのときめきをコントロールする術があるのもまた人間ならではです。
欲求とは本来、生きるために根深く備わっている機能のため、抑制には並ならぬ精神力が必要な場合もありますが、ダイエットをしている方々に今回のお話が何か少しでもお役に立てましたら幸いです。

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