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二毛作ビジネス経験者がポイントを解説!費用削減で注目の間借り営業の一例を紹介!

飲食店経営は地獄か?飲食店街、飲み屋街 飲食店経営記事

特にコロナ禍より、苦境の飲食店の打開策として、ニュースなどにも取り上げられるようになった飲食店の二毛作営業。

以前、二毛作営業について書いた記事「飲食店の二毛作。間借り営業。メリットとデメリットをお話します」に反響があったため、今回は実際に私たちがやっている二毛作営業スタイルでの実状と、長期的にうまくやっていくポイントをご紹介しようと思います。

これから二毛作ビジネスをお考えの方に、少しでも参考にでもなれば幸いです。

デリとダイニングバーの二毛作、間借り営業

そもそも開業当初はデリカフェでした。店舗は小さめで席は6~7ほど。
合わせて、ケータリングやイベント出店などに力を入れ、自分の料理を外にどんどん出していくことで認知を狙い、出張調理、実演調理、催事販売など少しずつ活躍の場を拡充していきました。

数年後、使っていない夜の時間帯の有効利用を目的に、身内がディナー部門をオープンさせました。
その際、少し改装をして席数を増設。営業時間は合間なく朝から夜までフル回転で営業していました。


ディナー部門では、お酒に合う料理や食事メニューの充実にも力を入れていきましたが、当初の周囲の認識は「あそこのカフェが飲み屋も始めた」という感じでした。

お互いがお互いの繁栄を目的に、営業時間を変更したり、お互いの顧客をフォローしあったり、その時その時に合わせて臨機応変に営業スタイルを調整してきました。

握手

双方が費用負担を軽減できる

固定費や諸経費の負担軽減、なによりこれがメリットです。

私たちの場合は、ディナー部門を開設する時に後者の負担は増席分の改装費くらいで、厨房設備などの初期投資がほとんどなく始めています。

デリカフェ部門としても変わらぬ営業環境で、テナント家賃、駐車場、光熱費、リース、メンテナンス料、商店会費など軽減でき大変助かっています。
割合はお互いの取り決めによって明確にしています。

二毛作スタイルの場合、費用分担については各お店によってかなり違うようですね。
個々間での取り決めでは一律定額だったり、使用時間や売り上げによって負担率が変動したりなどがありますが、不動産会社などの仲介業者によって仕切られている場合もあります。

どのような形にせよ、1円まできっちり決めておくくらいの明確さが大切だと思います。

やりくりでおトクに節約も

予定外に使わなかった食材など、パートナーと上手くやりくりできれば廃棄ロスの軽減もできます。
それだけではなく消耗品や備品などロットが多いものを分けたり、酒類の配達やネットでの仕入れも共同購入で配送料を削減できたり、積み重なると意外と重くのしかかってくる経費のやりくりにも有効です。

高まる相乗効果

これも私たちの例からお話しすると
デリカフェ部門=顧客は主婦層・オフィスや病院などの施設がメイン
ディナー部門=顧客は働き盛りの男性・夜のご商売関係の方がメイン
のため、わりと幅広い層の方に知ってもらえます。

ただ、知ってもらえても「気になるけど入りづらい…」ってお客様も結構いらっしゃいますよね。
特に個人店の飲み屋なんてなおさらなのですが、ランチやテイクアウトやっていると、味見、様子見のトライアルとして少し踏み込みやすくなるようです。

「あぁお店の中はこんな感じなんだ」
「こういう料理なんだ」
と体感で情報を得ると、1歩、親近感へと繋がります。

もちろん両部門では作り手が違うのですが、“謎” な部分が減ると、心理的ハードルも低くなっていくのです。

また、ディナー部門の人気メニューをデリカフェ部門で期間限定で販売したり、デリカフェ部門のイベント依頼で多めに作った料理をディナータイムのお客様に振舞ったり、お互いの商品をスポット的に取り入れることで、商品のPRの場も広げられています

お店を開けている時間が長いと人の目にもとまりやすい

どんなに人通りが多いところにお店があっても、シャッターが閉まっているあいだは意外と通行人の視界には入ってこないものです。
人は明るいところ、活気(動き)のあるところに自然と目がいきます。
開店時間が長いと必然と目につく機会が増えるので、存在アピールには大変有効です。

興味をもってもらうかどうかの前にまずお店の存在を知ってもらわないことには話になりません。

自分のお店に対する周囲の認知度は、自分が思うよりも意外と低いものです。
ちなみにうちはまあまあ人目につく場所で長いこと営業していますが、いまだに同地区の方から「こんなお店があるのを知らなかった」と言われることがあります。

そして、地域の人や交通の環境は時の流れとともに変化していきますから、常にアピールしていくことが必要です。

しかしお客様が混同しやすくチャンスロスに繋がってしまう

私たちの場合は連携要素もあるので、どんなにデリカフェ部門とディナー部門を分けて明示・発信していても、
・同じメニューで飲めるのか
・ディナー部門でデリカフェメニューのテイクアウトが頼めるのか
・ディナーの予約をデリカフェの時間に問い合わせて受けてもらえるのか
・結局何屋さんなのか
などの疑問をどうしてもお客様に持たせてしまいます。

お客様は “謎” な部分があるとなかなか踏み込んできてくれません。
こちら側は「わからないことはなんでも聞いてくだされば!」と思っても、強い興味がない限りあえて問い合わせてくることもしません。

これが、『なんとなく、なチャンスロス』に繋がってしまうんです。

これに関しては常に、その都度明確にしていくしかないのですが。

他店との差別化をとことんアピール

飲食店は開業率とともに廃業率も高い業種。
去ってはまたすぐ建つ、飽和状態と言っても過言ではない今時代に、他店との差別化をアピールするのは大変有効です。

『なんかいろいろやってる店』…は、前述のとおり “謎” を生みやすいのですが、うまくアピールできれば他店より活気を見せ付けることができ、お客様を惹きつける魅力にもなります。


私たちの場合は、
・デリカフェ部門は彩りの良い創作料理をテイクアウトや仕出しで外に出していくことがメイン
・ディナー部門はお酒にあう料理や食事メニューで人を呼び込むことがメイン
というそれぞれのコンセプトの元、徹底的に明示・発信し、他のお店とは違う躍動感を出すようにしています。
店頭の立て看板やポップ、チラシ・パンフレット、SNSなどの発信が主です。

ただお客様って意外とそういうものはよく見ていないんですよね…

そして時代は流れていきますから、認識が定着することはないという前提で、どの時代にもお客様の反応を見ながらあの手この手でいろいろな個性を発信し続けています。

また、店舗では照明に変化をつけています。
デリカフェは明るい白色、ディナー部門はワントーン落ちついた暖色にして、中の雰囲気、外から見える雰囲気にも変化をつけています。

ビジネスパートナーとの衝突…それは小さな相違から

二毛作営業におけるトラブルの元はもう大体ここからと言っていいと思います。
小さな意識の相違。これ、かなりの危険要素なんです。

小さいことだからと後回しにしたり受け流そうとすると、蓄積やズレが生じやすく、それはいずれお互いの関係性を大きく揺るがし兼ねません。

私たちの二毛作営業ではお互い運営に関する大きなイニシアチブは明確になっているので、そこに対するトラブルは意外と発生しません。

問題は、感覚のズレや認識不足などによる些細なことです。

例えば、掃除とか整理など性格が出るもの、細かい経費のやり取り、テリトリーの認識違い、
この小さな違和感は何かしら必ず沸いてくるんですよ、人と人って。

イレギュラーな事案や予想外の事態も起こります。
なんとか物事自体は円滑に進んだとしても、気持ちが円満にならないこともたくさんあります。

これをどう解決するか、また、どう消化するかが重要になってきます。

ビジネスパートナーの繁栄が自分の繁栄に繋がる

なにより確固たるこの信念が、お互いに持てているからこそ長く続け、そして利益をもたらしているのだと思います。
まぁちょっと綺麗ごとのようにも聞こえますが、
1つの箱の中に、趣の異なる2つの業者が入っているわけですから、自分の業務のことだけを考えるようでは、いつか足並みが大きくズレていきます

なにか新しい料理やイベントを考えるときも、必ずパートナーとの兼ね合いを含め検討していきます。

パートナーのことは自分のことのように考える、くらいでなければ、なかなか長期的な歩みは難しいと言えるでしょう。


この記事をご覧の方は、『不況の打開策に』『スペースの有効利用で』『ビジネスパートナーとのご縁』など、環境変化や機会があって二毛作営業をお考えになられているかと思います。

スタイルも様々かと思いますが、なにかひとつでも参考にでもなれば幸いに思います。



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飲食店経営記事
ワシヲ タカコ

筆者 ワシヲ タカコ
食生活アドバイザー 薬膳食育師 メンタルケア心理士
飲食店経営はじめ多種多様な食のお仕事をしています。
そのため更新は不定期、コメント欄もありませんがご質問等はお問い合わせよりお気軽にどうぞ。
ここでは顧客心理をベースに実践してきた接客・集客・経営ノウハウを現場目線で紹介しています。

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