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未経験からの飲食店開業はうまくいかない?実際に未経験で開業した経営者がデメリットやリスクを解説

飲食店の集客方法「活気と円満」は集客の絶対条件。居酒屋、バー。 飲食店経営記事

時々、頂く質問です。
「飲食店勤務の経験がないが飲食店を開業してうまくいくだろうか」
「他の飲食店で修行してから飲食店を開業するべきか」

最近もうちのお客様から同じような話を聞きました。
外国人のお客様で、ゆくゆくは母国の料理でお店を出す夢があるそうですが、周りの人たちから「まずはどこかのお店で見習いからやるべきだ」と言われ、そのつもりがなかったので悩んでいる、と。

そのお客様にも同じように答えましたが、結果から言えば、未経験だから失敗するという問題ではないのです。
未経験から始めようが修行してから始めようが、それはその人のタイプによるのです。

当然、未経験で飲食店を開業したからといって無計画や無謀な人というわけでもありません。

ちなみに私のお店は2人の経営者がいる二毛作営業ですが、二人ともほぼ未経験です。
若い頃に飲食店のアルバイトくらいはしたことがある程度。


今回は、飲食店の開業にあたり、経験者であるか未経験者であるかがどれほど重要なのか、私の経験を踏まえて実戦レベルで解説していこうと思います。

飲食店開業前になぜ経験が必要とされるのか

飲食店の開業にあたり事前に修行などの下積みを必要とするのは『開業において失敗を避けたいから』ですよね。
知識と技術を養い、万全を期して自分のお店を構築する。非常に賢く堅実なステップです。
また、飲食店で働いているうちに、自分でやってみたくなったという人もいるでしょう。
もっと言えば、修行に入ってみたものの自分には向かないことに気付いて諦めた人もいるでしょう。

いずれにしてもこの事前の経験は、スキルアップや自信の獲得、また、現実を知るという点で大いに活かされます。
大半の人がこのステップを踏みます。

それゆえ確かに未経験で飲食店を開業する人はとても少ないです。
私の周りの飲食店経営者たちを見ても、感覚的にですが未経験で開業した人は1割いくかなといったところでしょうか。

しかし失敗を避けるという点で個人的見解を言えば、経験があるかないかというよりは、事前のリサーチ力と、結局その時々の対応力が重要だと考えます。

どういうことか次項で解説していきます。

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飲食店勤務の経験よりも必要なのはリサーチ力と対応力

未経験で開業した私も、開業に向けては料理の研究や資金繰りの他、物件や同ジャンルの飲食店の動向、様々な関連情報をリサーチしていました。

その経験も踏まえて断言しますが、経験者か未経験者かということよりも、開業前に必ずとるべき行動はまず『リサーチ』です。

まず、自分がやろうとしているお店の希望地域、また同じようなジャンルの飲食店に通って、営業状況や付近の様子を観察します。
ランチ、ディナー、アイドルタイムなど稼働状況の異なる時間帯に、お客さんがどれくらいいるか、自分が実際に使った金額や、周りのお客さんが注文した商品を見ればざっくりですが客単価が予想できます。
メニューの価格帯はもちろん、グルメサイトに掲載のある飲食店なら座席数や一人当たりの予算を記載しているところもあるので参考にできます。

スタッフの数で人件費を想定したり、機器や設備等もよく観察していると開業費用の参考にもなります。

費用面だけでなく、お客様の動向、厨房が見える飲食店なら料理人の動き、作業導線などとても勉強になります。特に私のように未経験から開業する場合、これは営業のイメージに有効です。

店舗探しにおいても、気になる物件の内外観だけでなく、周辺の環境、人や車の流れ、また朝昼晩それぞれの雰囲気も確認できるといいですね。
最寄の駅の利用者数もインターネットで調べられますし、できるだけ多角的にリサーチをしましょう。

もし身近に飲食店経営者や従事者がいるのであればいろいろ聞いてみるのも有意義ですね。

この多角的にリサーチをする力をつけると、当然ながら新奇性のある情報が掴みやすくなります。
それは開業前に限らず、実際の経営においても戦力となりますから、意識的に身に着けていきたいものです。


また『対応力』については、まさに経営者としてのセンスにもよるのです。

どんなに経験があっても変化や不測の事態はいくらでもやってきます。
ここで言う対応力とは、その時に状況を正確に見極め、機転を利かせたり方向性を見出したりする力のことです。

私も長いこと経営をしていて、いろんな飲食店経営者に出会ったり、潰れていったお店も見てきたりしましたが、つくづく思うことは結局この対応力が経営には重要なんだ、ということ。

過去の飲食店勤務経験がどんなに豊富であっても、そこで学べなかった出来事が必ず訪れます。
環境や時代の変化は未知なるものですから。

それを自分の責任や負担でその時々に対応していかなければなりません。

未経験者が開業するデメリットは開業当初に大きく影響する

未経験者が開業することのデメリットを実体験で思い起こしてみました。

実際に私が経験してきてまず思うのは、開業から一連の作業が定着するまで時間がかかる、ということ。

大きな流れとして、仕込み仕入れ、開店準備、営業、閉店作業、翌日の仕込み、という工程はある程度決まっていても、これを円滑に進めていくための経験値がないので、定着、あるいはマニュアル化するまではだいぶ効率の悪い作業工程の繰り返しだったと思います。

開業時に揃えた器具や資材など、本当に必要なものと意外に不必要だったものがわかってきたのも後々だったので、この点も飲食店勤務の経験があれば効率の悪さや無駄などがもっと抑えられただろうと考えます。

総じて『経験値の低さによる影響』ですね。

もうひとつ、大したことではないのですが、未経験者は人から不安がられたり、見下されたり、教え魔の餌食になったりします

私もテナント探しをしている時に、不動産屋さんから「未経験でお店開くのは難しいよ」と嫌そうな顔で対応されたことがあります。
有名店で修行経験がある料理屋のご主人にマウントされたり、一方的に料理の審査をされたりもしました。笑

そもそも、何かを始めようとしている人に首をつっこみたくなる野次馬は一定数います。
未経験の経営者とくればなおさらです。
「ああした方がいいよ」「これはこういうもんだ」「仕入れ先はあそこがいい」などと、頼んでもないのにアドバイスをしてきます。
知っている事を教えたい、役に立ちたい、これは人の常でもあるのでおそらく誰もが大なり小なり経験することでしょう。
もちろん有益な情報もあるのですが、正直「ほっとけや(心中)」ってなります。

以前それについての対処法を含め、書いた記事がありますのでご興味がありましたらどうぞご覧ください。
質問1つでうざい教え魔を撃退。教え魔の心理と教えが相手に響かない理由とは?飲食店版


余談ですが、面白いもので、未経験で開業しようとするときは『甘いな』くらいの態度をされますが、開業からしばらくして未経験からのスタートだったと言うと『すごい!』くらいに言われます。笑

冒頭でも言いましたが未経験で飲食店を開業したからといって無計画や無謀な人でもなければ、逆に優れている人でもないんですけどね。

接客業のストレス。接客ストレスを増やさないために大切なこと。接客に疲れない方法。ストレス解消法



このように開業前と直後は経験値が大変有利に働くので、未経験だと多少のリスクが生じるでしょう。
しかし結局のところ、失敗するかどうかはその経営者のリサーチ力と対応力にかかっている、ということです。

結論としては、ここまでの解説を経て『最初はリスクがあってもあとはやりながら切り開いていこう』と思えるなら未経験から飲食店を開業しても大丈夫だと思います

私は日頃、自身の経験を元に飲食店経営についての記事を書いています。
同じ経営者さんたちが悩みや迷いにさしかかったときに何かのお役に立てれば幸いです。


他にもこんな記事を書いています。

飲食店の開業前によく考えて!めちゃくちゃ入りにくい「小さな個人の飲食店」集客の難しさ



当てはまったら飲食店経営は難しい。失敗する経営者の2つの欠点。飲食店開業前に克服すべし!




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飲食店経営記事
ワシヲ タカコ

筆者 ワシヲ タカコ
食生活アドバイザー 薬膳食育師 メンタルケア心理士
飲食店経営はじめ多種多様な食のお仕事をしています。
そのため更新は不定期、コメント欄もありませんがご質問等はお問い合わせよりお気軽にどうぞ。
ここでは顧客心理をベースに実践してきた接客・集客・経営ノウハウを現場目線で紹介しています。

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