褒められたこと、また、褒めたこと、だれにでも経験あるかと思います。
もしそれがお世辞でも、言った方はお世辞だとバレてないと思ってるし、
言われた方は、お世辞だとわかっていてもそんなに悪い気はしないですよね。
でもどうであれ、ありきたりな言葉や上っ面を褒めるより、
・相手の気分を何倍も良くさせる
・こちらにも好印象を持ってもらえる
・距離も縮まる
そんな言葉やフレーズを今回は3つ、紹介します。
飲食店向けの記事になっていますが、飲食店と関係がない方でも、接客、人との関わりに、お役に立てると思います。
①あなたをよく見ています…
あなたをちゃんと見ていますよ…
まるでストーカーのようですが、そういう話じゃなくて。
“以前のちょっとしたこと” を持ち出すんです。
どういうことかと言うと、
「前に、家では焼酎を飲むっておっしゃっていましたね。毎日晩酌されるんですか?」
「このあいだ着ていたストライプのシャツ、あれとてもステキですよね」
「さっきちょっと目頭押さえてたようですけど、お疲れですか?」
こんなふうに、見ていましたよ、気にかけてましたよ、覚えていましたよ、ということを言うんです。
単純にお客様のことをよく見ていないとダメなんですけどね。
例えば、たまにしか行かない定食屋さんとかで、その日たまたま「ご飯少なめで」ってお願いしたら、次に行ったときに「今日はご飯の量、どうされます?」なんて聞かれたら、
“あ、覚えてくれてたんだ” ってちょっと親近感が沸いて嬉しい感じがしますよね。
そのお店の印象も強くなりますし。
他にも、訪問2回目のバーで、店員さんにカクテルを注文したとき「ジンがお好きでしたよね。ご注文のカクテルは、ジンでもお作りできますよ」なんて言われたらその店員さんにホレますよね。
それと同じです。
でもこれ、絶対的な注意点が2つあります。
1つめは、さらっと一言で済ませること。
「先週は○○をよく召し上がられていましたけど…うんぬんうんぬん、
ああそういえば一ヶ月前はテラス席でしたね…うんぬんうんぬん」
となってしまうと、覚えていてくれたんだぁを通り越して監視の恐怖すら感じます。こわい…
2つめは、関係性をきちんと見極めてから。
顔はわかるけど接したことがない…など、関係性があまりに極浅なのに突然こんなこと言われたら、「いや、いつ見てたんだよ…」ってなって、やっぱりこわい…
せめて、軽い会話を交わしたことがあるくらいのお客様に、さらりと一言、
この塩梅がよろしいかと思います。
②その人を褒めるより、その人の話に興味を示すほうが◎
お客様に限らず、会話をしている人をよく見ているとわかるのですが、
自分が喋っているときは、夢中というか、舌がよくまわるというか、「教えたい!知って欲しい!」という静かなる熱意を感じます。
なので「○○さんおもしろーい!」と褒めるよりは、
「へー!そうだったんですか!」
「それってこうこう、こういうことですか?」
「その後、どうなったんですか?」
と質問したり、話の内容そのものに関心や共感を示します。
『あなたはそんなことを知っていてすごい』と感嘆されるより
『あなたの話は役にたつ。もっと教えて』というスタンスで会話したほうが、相手も『自分に興味を持ってくれている』と、存在意義が高まるのではないでしょうか。
こちらの記事でも詳しく解説しています。よろしかったら参考になさってください。
お客様の心理を知る!「お客様が好む会話」で接客を攻略!飲食店経営者の経験談。
③容姿を褒めるなら、内面への褒め言葉をセットで
顔や体系、ファッションなどの容姿、表面的なもの…それって見てすぐわかるから褒めやすいですよね。
「スタイルいいですね」
「お若いですね」
「おしゃれですね」
でも、その褒め言葉が対象となるお客様たちは、だいたい普段から言われ慣れているものです。
もちろんそれでも嬉しいのでしょうが、社交辞令、挨拶みたいなもの、くらいにしか気に止まりません。
そこに、もう少し内側を見抜いたような言葉をプラスすると、 もっと印象深くなります。
「その体系を維持するってやっぱり筋トレ続けているんですか?ストイックだなぁ」
「日焼けとか保湿とかマメなお手入れをされているのでしょうね」
「いつも意識を高くお持ちなんですね」
そのお客様の魅力の裏にある、内面や努力も称えるような「もう一言」をつけると、お客様の気分がより高まります。
自分しか知らない意識や労力を見抜き、わかってくれているようで、ただ褒めるよりもグッとくるんですよね。
でももし、 内面や努力も称えるなんてちょっと高度だな…と思ったら、ポイント的に褒めるといいですよ。
「肌がきれい」
「笑った顔が可愛らしい」
「そのメガネ、オシャレ」
「声が渋い」
などなど。
ざっくり大きく、「あなたはステキな人だ!」と言われるより、「特にここが魅力的だ」と具体性があったほうが当然ながら “ よく見ていてくれている感 ” が増すわけですから。
ちなみに、自分を下げてお客様を持ち上げるのは、おすすめしません。
「私なんて何やっても続かないから、あなたのようなスタイルは夢のまた夢」
「カッコいいと何でも似合うから羨ましい。自分が着てもそうはならない」
…これは、言われた方が返事に困ります。
謙遜のつもりかもしれませんが、こうなってくると謙遜ではなくただの自虐ですから、友達のような気心知れた仲ならまだしも、そうでもなければやめといたほうがいいと思います。
どうでしたか?
褒めるより効果的な言葉やフレーズを3つ紹介しましたが、これって逆に自分がやられたらちょっと嬉しくないですか?
人ってみんな、自分のことをわかってくれる人、興味を持ってくれる人に、好印象を持つ生き物なんですよね。
今回は、そんな心理をほんのりくすぐる会話術のお話でした。
最後におもしろい本を紹介しておきますね。
褒め方とはちょっとズレますが、芸人さんが書かれた雑談力を上げるための本です。
この芸人さん、申し訳ないことに私は存じ上げないのですが、よくあるコミュニケーション本よりも、本当に気楽に楽しんで読める内容になっていて、こんなラフな感じなら実践もしやすいなと思わせてくれる本です。
雑談ってその人のコミュ力がしっかりと表れて、くだらないように見えて意外と相手との関係性を左右するものなんですよ。
ご興味ありましたら参考になさってみてください。
こちらでは、意外とみんなやってしまっているNGな会話を解説しています。
それやっちゃダメ!嫌われる3つの「NG会話」接客 営業 人間関係コミュニケーション
他にもこんな記事を書いています。
「嫌なお客さん」ムカつく気持ちを抑える方法。ムカつく心理とコントロール法
「あの人に嫌われてないかな」相手の無意識なしぐさで“好意”があるか読み取る方法教えます
バーテンダー伝授。女性の心理をくすぐる“あざとい”モテ言葉。女性客を増やす飲食店集客方法