家族やお友達など、誰かと食事に行こうとするとき、こんな会話ありませんか?
「どこ行く?何が食べたい?」
「うーん、なんかガッツリいきたい気分だなぁ」
「私はお肉が食べたいな」
こんなふうに候補が出ると、それをベースにお店を探しますよね。
「あそこのケバブ、ボリュームあるよ!」
「近くにできたステーキハウス行ってみる?」
という感じ。
こんな日常のよくある一コマから、お客様が自分のお店をチョイスしてくれやすくなる方法を解説していきます。
結果から言うと、これらの表現にマッチした飲食店が選択肢に入りやすいということですね。
以前、飲食店経営のベースとなる3つの指標について書いた記事の中で、①コンセプト②メインターゲット③目玉商品を設定することの重要さについて解説していますが、(その記事はこちら→これがない飲食店経営は危険!開業前に決めておきたい3つの基本的指標!飲食店の集客方法)
今回はその中の「目玉商品」について、お客様の心理を深堀って集客方法を考えていきたいと思います。
ポイントは「脱・普通のお店」です。
お客様が飲食店を選ぶとき、食べたいものから考える

冒頭の会話のように、誰かと外食に行くとき、どこのお店に行こうか悩んだら「何が食べたい?」というやりとりが、わりと高確率であるかと思います。
その時食べたいものは人それぞれですが、それを表す言葉の傾向をクローズアップしてみましょう。
「何が食べたい?」と聞かれたら…
①具体的な食材や料理
「肉が食べたいなぁ」のように、魚、野菜、麺、粉もの、うなぎ、ホルモンなどの食材から、
焼き鳥、パスタ、餃子、天ぷら、お鍋、チヂミ、ピザ、などの料理名。
また、美味しい日本酒が飲みたいとか、若者ですと映える料理なんていうのもありますね。
②カテゴリによる表現
「なんか中華系がいいな」のように、和食、フレンチ、沖縄料理、エスニック、ビアガーデン、割烹、飲み放題など、①のように具体的に○○が食べたいというよりは、もう少し範囲を広げた表現です。
③イメージ的表現
「がっつりスタミナ料理!」のように料理名やカテゴリではなく、味の雰囲気・イメージ的な表現で言うこともありますね。さっぱりしたもの、軽いもの、温まるもの、こってりしたもの、体に良いもの、辛いものなど。
こんなふうに「何が食べたい?」という会話になったとき、食べたいものを表す言葉はだいたいこんなところではないでしょうか?
ちなみに飲食店を選ぶとき、食べたいもの以外の選択要素もあります。
例えば、おしゃれなとこ、駅近、景色が良い、個室完備などですが、ここまで掘り下げるとちょっとキリがないので今回は食べたいものに限定して話を進めます。
さて、ここまで挙げた会話のやりとりで、何が言いたいのかというと、
こんなふうに、人が食べたいものを表すときによく出やすい表現・人が使いやすいワードにマッチする要素がある飲食店は、選択肢に入りやすい、ということです。
どうでしょう。あなたのお店には①~③のように人が表現しやすい要素はありますか?
実はこれらがなんとなくヒットしにくいお店って意外にあるんです。
とりあえずメニューがいっぱいあるお店…とか、
和洋中なんだかいろいろあるお店…とか、
オーソドックスな料理ばかりで注文に悩まない…など、
『これといって特色はないけど、行けばなんか食べたいものがあるだろう』的なお店ですね。
もちろんそういったお店はそれはそれで重宝される場面もあるのですが、何か『売り』がひとつあったほうが、飲食店として印象付けされやすいのは確かなことです。

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脱・普通のお店
特色のない、売りのないお店を私はよくこう言います。
「普通の居酒屋」「普通のカフェ」「普通のバー」
『普通』というの『悪くはないんだけど、これといった目玉商品や特色がなく、どこにでもありそう』なお店です。
非常にもったいなと思うのですよ。
例えばここで、
「あの居酒屋は女将さんのおでんが人気で、客のほとんどがおでんを頼む」
「あのカフェはパスタが全て手打ち。もちもちで美味しい」
「あのバーはウィスキーにこだわっていて種類が豊富で飲み比べができる」
のように、その辺のお店では体験できない魅力がひとつあるだけで、これといった取り柄のない『普通のお店』よりも印象に残りやすくなります。
そうすると、
温かいものが食べたいねって話になったら「じゃああのお店のおでん食べにいく?」と挙げてみたり、
パスタが食べたいからイタリアンにしない?て友達に言われたら「カフェだけどパスタが本格的なお店もあるよ」と提案したり、
美味しいお酒を飲みたくなったら「酒が楽しめそうなあのバーに行ってみようか」
と、食べたいものと情報が結びつきやすくなるというわけです。
これが「普通の居酒屋」だと選択肢にすら上がりにくくなってしまいチャンスロスになりかねません。
もちろん、飲食店経営者のみなさん『普通の飲食店』をやりたくて開業したわけではないと思います。何かこだわりや自分の特技を持って始めたと思うんですよ。
しかし実際営業していくと、いまいちニーズに合っていなかったり上手くアピールできずに、舞台劇で言うところの村人1ならぬ『飲食店1』みたいなその他大勢郡に埋もれていっていることに気付かないということがあるわけです。
でもこれが例えば、『俵ハンバーグ屋1』『プロヴァンス料理屋1』『炎の中華料理屋1』だったら、また印象も記憶の残り方も違いますよね。
なのでこんなふうにもっと具体的に役名をつけて自慢のお店を世の中に出していけるといいですよね。
○○が人気のお店、名物○○のお店、手作り○○のお店、本場○○料理のお店など。
そうすると、お客様の気分や何を食べたいかを表現するワードとも合致する可能性が上がり、また、人の目にも止まりやすくなります。
それが、お客様が自分のお店をチョイスしてくれやすくなる要因ともなるわけです。

あなたのお店の『他のお店にはない魅力』をセールスポイントとして根気強く発信し続けていきましょう。
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